うずみ火とは、「灰に埋もれた炭火」のこと。その昔、火の神をまつる「いろり」の火は、絶やしてはならないとされてきた。そのため、寝る前に火種をいろりの灰の中に埋め、埋み火にして翌朝まで火種を守ったのだ。
私の恩師である黒田清さんは「一つひとつの家庭にある幸せを大事にしていこう。そのためには、幸せを根こそぎ奪ってしまう戦争に反対しなければならない。幸せを潰してしまう差別と戦わなければならない」と訴えた。その遺志を受け継ぎ、消すことなく次の世代にバトンタッチしたいという思いを、新聞の名前に込めた。

しかし、ますます加速する改憲への流れの中で、無力感にさいなまれることもある。そんなとき、私は黒田さんの言葉を思い浮かべる。
「戦争の対極にあるもの、それは人権社会である。この社会を人権社会に近づけることが戦争を遠ざける道なのだ」
一人ひとりの命が尊ばれ、お互いがその違いを認め合って共に生きる社会――。そんな人権社会の実現を目指して、声を上げ続けたい。
声を上げても変わらないかもしれない。だが、気づいた者が声を上げなければもっと変わらない。理想だと笑われてもいい。理想は追求しなければ実現しないのだから。
まずは知ること。知ったら声を上げること。一人ひとりの力は小さいけれど、それぞれの火種をあわせて、反撃の「狼煙」を上げましょう。