「新聞うずみ火」の発送日は毎月23日。私の恩師である黒田清さんの月命日である。今月も遅れることなく、2月号(136号)を全国の読者に向けて発送しました。主なラインナップをご紹介します。

・1面~4面「若年性認知症 共に朽ち果てる覚悟」
和歌山市にお住いの64歳の読者Aさんから年明け早々、メールが届いた。妻が「若年性認知症痴」と診断されて6年になるという。メールにはこう記されていた。
<去年の一年間、どのように過ごしたのかよく思い出せません。仕事、介護と相変わらず必死の一年でした。だけど連れ合いの介護のお蔭で、人間にとって大事なことをたくさん教えられました>
この間、どのような介護をされたのか。若年性認知症とは、どういう具合に進行していくのか。周りにいる者はどう支えればいいのか――などを尋ねるため、和歌山に向かった。
妻は57歳の時、若年性認知症と診断された。Aさんはこう振り返った。
「僕は『これをやったらあかん』という禁止と、『これをせい』という命令しか言うてこなかった。正そうとしてたんやね。連れ合いにとってはしんどかったと思うわ。一番不安なのは、僕やない、連れ合いの方やねんと思った時、経済的に破たんしてもええやないか、朽ち果てたらええやないかと開き直ったというか、腹が座りました」

・5面~7面「阪神大震災から22年 借り上げ住宅」
行政が退去拒否の住民を提訴した「借り上げ住宅問題」。高齢者が今になって法廷に通わされることになった背景を、ジャーナリストの粟野仁雄さんが追った。
借り上げ住宅問題で自治体が入居者を訴えたのは神戸市が早かったが、最初に期限が来たのは西宮市のシティハイツ西宮北口。西宮市は昨年5月、退去拒否者10人を提訴し現在、神戸地裁尼崎支部で公判が進んでいる。
訴えられた人たちは「20年後に出なくてはならないなんて全く言われていない。もし、そう言われれば入居しませんでした」と声をそろえている。
一方、神戸市と西宮市は「募集要項に明示した」とするが、肝心の入居許可証には一切書かれず、周知努力もしていないと、粟野さんは指摘する。
<そもそも20年とは住民と両市との間の契約期限ではなく、市とUR間での契約でしかない>

・8面~11面「沖縄・高江ヘリパッド建設その後」
北部訓練場過半返還の式典は昨年12月22日に行われ、返還の交換条件とされた6カ所のヘリパッド工事は同月半ばで完了したというのが日米両政府の言い分だが、栗原記者が現地を訪ねた。 <1月半ば、夕刻の沖縄県東村高江の北部訓練場Nゲート前。鉄柵の前には、民間警備会社のガードマン10人あまりが並んでいた。国道の1車線を塞ぎ、連なっていた県外ナンバーの警察車両や大勢の機動隊員、防衛局員の姿は見当たらない。道路を挟んで向かい側には「住民の会」の座り込みテント。いまも交代で警戒態勢が続いている>
渾身のルポ、この続きは新聞うずみ火で――。

・14面~15面「原子力と人権」
台湾が脱原発に舵を切ったのをご存じだろうか。
「新聞うずみ火」編集委員の高橋宏さんがこの問題を取り上げた。
<台湾は現在3カ所(6基)で原発が稼働中で、2基が計画中だった。しかし、北部に建設された台湾第一原発と第二原発は、人口密集地の台北から30㌔弱しか離れておらず、2011年の福島第一原発事故以降、反原発の機運が高まっていたという。
現時点では、報道以上のことは述べられないが、台湾の街角の至る所に「反核、不要再有下一個福島(核はいらない、ノーモア福島)」という布地のポスターが掲げられていた。
実は、蔡総統は福島第一原発事故直後に「2025年非核家園計画(非核の家計画)」を発表している。12年の総統選挙に立候補したものの落選。だが、その主張を変えることなく今回の選挙でも脱原発を訴え、他の2人の候補者に大差をつけて当選した>
選挙公約を早速、実行した蔡総統。マニフェストを反故にした安倍政権とは大きな違いだ。

・16面~17面「西谷文和の世界で平和考える」
「自由なラジオLight-Up」のパーソナリティーで、ジャーナリストの西谷文和さんは「新聞うずみ火」の連載「世界で平和を考える」で、「イラク最新報告」を紹介してくれている。
西谷さんは昨年12月20日から30日にかけて、イラク北部のクルド人自治区に入った。現地ではイラク軍とクルド軍が共同して、IS(イスラム国)掃討作戦を行っていた。イラク第2の都市で、IS支配地域で最大の都市、モスルの奪還作戦が展開中だったという。
<大地から炎が噴き出している。モスル近郊は豊富な石油が眠る宝の山。ちょっと掘れば良質な石油が出る。大地から吹き出す炎は、石油採掘の際に出てくる天然ガスを放出しているのだ。海底油田やシェールガスなどは掘削にコストがかかる。ここは少し掘るだけでOK。あとはパイプラインでトルコへとつなぐだけ。巨額の利権が発生し、油田を巡る争いが続く。石油精製工場には多数のクルド兵とチェックポイント。軍隊は人々を守らずに油田を守っている>
これが実情なのだ。

・18面「それはあかんやろ―共謀罪」
共謀罪は、実際に行動しなくても犯罪の計画を話し合い、合意しただけで逮捕されてしまう危ないものだ。2003年以降、3回にわたって国会に提出されたが、いずれも廃案になったのは「心の中で思ったことが処罰される恐れがある」という不安が国民の間に広がったから。
にもかかわらず、安倍政権は「テロ等準備罪」に名前を変えて、通常国会に出し直す方針だ。東京五輪があるからとテロ対策を前面に出して、成立させようとしている。


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