電話インタビュー:今中哲二さん
聴き手:矢野宏

矢野宏:
さてここからはLight Up! Journalです。今日は今中哲二さんと電話が繋がっています。今中さん、宜しくお願いします。

今中哲二:
はいはい。宜しく。

矢野宏:
政府は東京電力福島第1原発の廃炉に向けた行程表を二年ぶりに改定しました。今中さん、私は正直このニュースを見て愕然としたのですが、事故で溶け落ちた一号機から二号機の核燃料、通称デブリですよね。その取り出しも大変なのに、そうだ、使用済み燃料が一号機から三号機に残されていたんだと。これは当たり前のことなんですが、改めて恐怖というかこれ大丈夫かという不安感を突きつけられたのですが。今どんな状況なんでしょうか。

今中哲二:
BWR型の原発というのは、使用済み燃料は建屋の上の方に貯めてあるんですね。
出した時に一旦そこに置いて、しばらく何年か置いておくという形で。原子炉の中に入っているよりも、高さで言えば5階分に相当するところのプールに溜まっている燃料の方が多いんですよ。それで、事故が起きた時に、一号機二号機三号機はメルトダウンしたんですけれど、四号機は定期検査になって燃料棒は全部取り出して使用済みプールに置いていたんですよね。

矢野宏:
そうですよね。

今中哲二:
それまでのと合わせて大体1400〜1500体くらいあったんだと思います。普通運転する時は500体くらいですから、使用済み燃料というものも元々たくさん入っているんですよね。四号機については、水素爆発でドーンと建物が痛んだんですけども、一号機三号機の水素爆発は天井に溜まった水素がドーンといったんですよね。天井の部分がおそらく抜けちゃった、壊れちゃったということですかね。四号機に関しては、どうも後から調べると、三号機から残水素が流れていったと。排気筒を一緒に使っていたので、ベントした時に、要するにガス抜きですよね、排気筒から出す時に逆流して四号機の方に行ったらしいというのはどうも確からしいんですよ。

矢野宏:
だって四号機は動いてなかったですもんね。

今中哲二:
そうするとね、どういうことかというと、天井に溜まったんじゃなくて、建物全体に溜まったんですよ。

矢野宏:
あぁ、そうですか。

今中哲二:
今5階にプールがあると言いましたよね、そしたらね4階の方も四号機はやられちゃったんですよ。それで半分宙ぶらりんだったんですね。慌てて応急処置をして、とにかく福島第一のデブリ取り出しよりも最優先で、四号機の燃料は使用済み燃料プールから回収したというストーリーなんですよ。それで、一〜三号機も使用済み燃料プールから取り出して安定した地面の上に置きましょうという段取りなんですよ。それをいわゆるデブリの調査と並行してやっていたんですけれど、どうも使用済み燃料プールから燃料を取り出す方も相当時間がかかりそうだという話です。

矢野宏:
そうですよね。ちゃんとこれ取り出せるんでしょうか。

今中哲二:
使用済み燃料プールからの分は見えてますし、現状は分かっていますから、ある程度の二年三年のレンジで話ができますよね。やっぱり問題なのは、デブリの方です。

矢野宏:
そうですよね。

今中哲二:
今年の春くらいから、色々ロボットを突っ込んで、サソリ型やら水中ロボットやらなんやらで色々やってますけれども、未だによくわからないんですよ。

矢野宏:
見えてこないですよね。

今中哲二:
どっか行ってるよ、どっかありそうだねというレベルですから、私からしたら事故から六年半経っても現場検証ができてないんですよ。

矢野宏:
そうですよね、一番大事な現場検証ができてないんですもんね。

今中哲二:
物事を片付けするのは、やっぱり現場検証してものがどうなってるのかはっきりしてから方針が出るんですよね。それなのに、何年後になんとかしますとか、四十年後になんとかしますとか、そういう話は私からしたら希望的見通しですよね。それを絵にしただけなんで、実際にどうなるかはわからない。

矢野宏:
そうですね。今中先生、これね、例えばチェルノブイリのように石棺にしてしまうという、もちろん使用済み燃料を取り出した後の話ですけれども、そういったことはどうなんでしょうか。そっちの方が早道じゃないですか。

今中哲二:
チェルノブイリと全然違うのは、水です。チェルノブイリはそんなに雨が降らないし、地下水もほとんど入ってこないところです。福島は地下水がどんどんどんどん流れてきますし、おまけにすぐ隣が太平洋ですから、そこで埋め込みにして水の道などができたりすると、永遠に太平洋を汚染し続けると。

矢野宏:
なんか、本当にとんでもない話ですよね。わかりました。今中先生、本当にどうもありがとうございました。

今中哲二:
どうも。