電話インタビュー:今中哲二さん
聞き手:矢野宏

矢野:
さてここからはLight Up!ジャーナルです。今中哲二さんとお電話が繋がっています。今中さん?

今中:
はいはい?

矢野:
よろしくお願いいたします。

今中:
はい、こちらこそよろしく。

矢野:
今日のテーマは「猛暑でも電力は大丈夫?原発再稼働の影響は?」と題してお送りいたします。今年は6月から真夏日が続き、7月・8月と記録的な暑さが続いてきました。ところが不思議と節電という言葉は聞きませんでした。電力は大丈夫なのでしょうか。原発再稼働が影響しているのでしょうか。本日は「猛暑でも電力は大丈夫なのか?」について今中さんにお話を伺います。
2011年3月の東日本大地震の直後は原発が止まった影響などで計画停電があり、その年の夏は政府による節電要請もありました。ところが最近は節電という言葉は聞きませんね、先生。

今中:
はいはい。

矢野:
これ大丈夫なんですか?

今中:
えーっとね、6年前に福島の事故が起きましたよね。そのあと電気が足りないとか計画停電だとか色々ありまして、それで原発も全部止まっちゃいましたし電気はどうも足りなくて、節電だ節電だということを2、3年続けていたんですよね。私が気がついたのは去年くらいかな、一つも言わなくなったんですよね。

矢野:
そうですよねえ、言われてみれば。

今中:
そしてね、なんか変だなと思って経産省やら電力会社の統計を見ているとね、どうも電気、発電設備は完全に余っているんですよね。むしろ電力会社は電気が売れなくて困っている状況に陥っているんですよ。そういうのがね、6年前にみんな節電だ節電だと言って節約したりしましたよね。そのあと電気の効率が良くなって、設備の効率が良くなったり、あと太陽光などもどんどん増えましたよね?そういうんで真夏の電力需要というのが伸びていないんですよ。ですから2011年の事故が起きる前の年に比べたら1000万キロワット、2000万キロワットくらいの需要が減っているんですよ。

矢野:
すごい量ですね。

今中:
はい、原発で言えば20基、30基分くらいの需要が減っています。そのままずっときてますから発電設備としては余っている。だから関電なんかもう御坊の火力発電所なんかもう使わへんとか言ったりしてますから全然心配する必要ないんですよ。

矢野:
そういうことなんですね。なぜしかしこれ電力が足りるようになったんですか先生?

今中:
やっぱりね、節電が風土として根付いたことと大きいのはやっぱり太陽光とか自然エネルギーをだいぶ使うようになりましたし、それぞれの家が屋根の上に太陽光発電がものすごく増えてますよね。あれをつければ夏の一番電気がいるときは十分間に合うんですよね。むしろ余ってくるくらいですから。

矢野:
うんうん、なるほど。電力会社は原発を再稼働させたいというのがありますよね。再稼働した原発の影響というものはあるんでしょうか。

今中:
あのね、電気がいるか要らないかということにおいては関係ないですよ。

矢野:
関係ない!?

今中:
はい、関電さんの経営にとって大事だということですね。

矢野:
経営にとってですね。

今中:
はい、関電さんが潰れないために大事だということです。
そういうのも私ちょっとね、東芝の事件がありましたよね。東芝が結局赤字を抱え込んじゃって、債務超過になって会社としても成り立たなくなったという状態なんで一体どういうことかなと思って調べたら、別に借金が増えて赤字になってその額が資産を超えてしまうと大変なことになるんですよね。それで関電さんの帳簿なんかを見ると、原子力発電の設備及びこれまでに前もって手当てしてある核燃料の値段、これはべらぼうなんですよ。両方合わせると1兆円くらいの値段になるんですよ。

矢野:
1兆円!そんな値段になるんですか。

今中:
結局ね、古い燃費の悪い自動車みたいなものがあるとしますよね。おまけにそれにしか使えないガソリンは山ほど買い込んであるという状況を考えた時に、やっぱり新しいものを買うよりもその古いものを使った方が会社としては赤字を出さずに済むと、そういう仕組みだと思いますよ。で、それが日本全体、我々全体にとっていいことなのかということだと思います。

矢野:
なるほど。私たちはその、関西電力が電気料金を値下げしましたよね。それは原発を再稼働させたからだというような間違った認識が持ってるんですね。

今中:
関電はもう燃料は目一杯買い込んであるわけですからそれはなんとしても使いたい。また、原子力発電をやめたと言えば発電所そのものの資産価値がなくなってしまいますからそれはそれで大変なことになってしまうということなんですよね。

矢野:
なるほど、わかりました。3.11の後原発が一基も稼働していない時も実は電気は足りていたと。

今中:
ですから今は原子力発電はほとんど寄与していませんから今のこの段階で原子力から手を引いていくいわゆるロードマップみたいなものですよ、これをやっぱり我々はきちんと作って、日本政府の責任でやっていくべきだろうと思います。

矢野:
もう止めていくべきですね、原発は。

今中:
そうですね、はい。

矢野:
はい、分かりました。今中さん、ありがとうございました。

今中:
はい、どうも。

矢野:
Light Up!ジャーナル でした。