今回は昨年のイベントの録音の未公開部分をご紹介します。
イベントも後半に差しかかった場面で、会場の皆様からのご質問にお答えしました。
お答えしているのは、弁護士で映画監督の河合弘之さん、元東京電力社員の蓮池透さん、そしておしどりのおふたり。司会はいまにしのりゆきです。
今年の6月4日(日)のイベントも楽しみですね!


いまにしのりゆき:
河合先生に質問がきてます。

河合弘之先生:
はい。

いまにし:
所謂、その廃炉費用について、今ちょうど話が出たのであれなんですけども。
「それを国民の電気代でツケを払うっていうのはおかしいのではないか?」
という主旨の質問なんですが。

河合先生:
全くその通りで、あくまでも東京電力が自力で、
しかも原発を動かさないで利益を上げて、払うべきだという風に思います。
それが無理ならば、全部財産売って。
特に、東京電力の最大の財産は送電網ですから、
それを売って、それで賠償して、足りない分はギブアップして、会社更生なり倒産手続きをとって、
きちんと東京電力は責任をとって退場した上で、政府が国民が後始末をするっていう
そういうスキームなんですけど。
今のことをやってると東京電力は生き残って、東京電力に対する銀行の貸付金もちゃんと回収できて、
株主もあんまり損しないで、そうやって政府に押し付けているわけですよ。
それはアンフェアですよ。
だから、やっぱりもう東京電力には全部吐き出させて、そして責任をとらせた上で政府がやる。
それで、電力会社どうなるかって言うとね、東京電力が潰れたって、東京電力の事業は無くならないわけですよ。
発電と送電と配電は、これはそれなりに職員はちゃんといるわけだから。
職員はそっちに移して、会社としては×にして。
「はい、あの事故を起こした東京電力は責任をとって消滅しました。」
「でも、あとはどうしょうもないですから、国民が負担しましょうね。」って言うんだったら、国民が納得する。
「しかも、結局、原子力発電っていうのはこんなに高くつきましたね。」
「安いからって言ってたのは嘘でした、ごめんなさい。」
って言ってから、「国民に負担して下さい」って言うんなら分かる。
でも、未だに東京電力は生殺しみたいに生かしといて。
それから、「原発はまだまだ安いよ」と嘘を言い続けて。
そして、国民に負担させるっていうのはこれはもう完全なアンフェア、あり得ない、許されないことだという風に思ってます。


いまにし:
はい、というような回答でした。
次、もう一つ蓮池さんが来ております。
蓮池さんからですね、3.11の後に何かの機会で聞いたと思うのですが、
アメリカのGEがですね、福島第一原発の1号機を造ったわけなんですが、
「設置する作業員は黒人の差別がある中で、白人のしないような仕事に携わっていたと言っていますが、本当ですか?」
というような事なんですが。

蓮池さん:
本当ですよ。
要するに炉心近くの配管で、ちょっと専門的に言うと、
応力腐食割れっていうちょっと原因不明な故障が起きたわけですよね。
それはもう原子炉の近くなんで、その配管を新しい材料に変えなきゃいけないんですけど、
とても線量高くてアクセスできないわけですよ。
日本の作業員は一応法令があるんで近づけないんで、「じゃあ、どうする?」っていうことになったら、
アメリカGE社が作業員呼んできて、黒人の方でしたよね。
そういう人が無制限にそこに従事してたっていうことはあります。

いまにし:
何年前ぐらいの話ですか? それ。

河合先生:
私が入社した頃ですから、もう40年ぐらい前ですよねえ。
だから、もう無法な感じでしたけどねえ。

おしどり(マコ):
でも、私、福島第一原発の廃炉作業も似たような状況にはなっていると思っていて。
私が今めっちゃ調べてて出てこないことの1つが、今、廃炉作業に何人の外国人の方が携わっているか。
ブラジル人であったり、外国の労働者の方が凄い入ってるんですけど、東京電力は絶対に調べないんですよ。
でも、事故後、放射線教育に英語テキストを使って、日本語が喋れない人達の教育者ということまでは出てきたんですけど。
その後、作業員の手配をされている方に取材すると、そういう在日のブラジルの方とかを作業員として集めてくると、
上はメーカーとか東電は喜ぶんですって。
何でかって言うと、その後何があっても裁判を起こさないから。
日本語がカタコトで、配られる資料すら読めなければ、何も戦えない。

河合先生:
要するに、被害者として立証できないということですよね?

おしどり(マコ):
そうです。
だから、「外国人労働者集めると喜ばれるんだよ」っていう話を聞いた時に、
凄いショックで辛かったです。

いまにし:
そうなんですねえ。分かりました。
今日ほんとですね、途中で休憩入れようと思ったんですが、話盛り上がって。

河合先生:
みんな誰も帰んないじゃない。凄い。

いまにし:
帰られる方もほんと少なくて、トイレ休憩とかとったら良かったんですが、
ほんとすいません。申し訳なかったんですが。
もし、最後追加で1つぐらい聞きたいなと思われる方誰かいらっしゃれば、
1人ぐらいだったらアレなんですが、いらっしゃいますか?

観客:
黒人の労働者の方のお話が出たところで、
日本はこれから原発の対処を担っていかなければならないと思うんですけれども。
そこで働く労働者の方の、今確保の現状はどのようになっているのかという事と、
あと今後、どういう風にこの国はそういう被ばく者の人達を保障とか、どういうのが必要かとお考えか、
皆さんのアイディアとかあればお聞かせ下さい。

おしどり(マコ):
わあー、難しいなあ。
ちなみに今、福島第一原発で毎日働かれている方は5000人から7000人なんですね。1日に。
それで、日本の法律で5年で100ミリシーベルトっていうのが被ばく線量限度なんです。
1年50ミリシーベルトで、これ蓮池さんならおかしいと思うんでしょうけど、
5年で100ミリということは、どこの5年でも100ミリということなので、
私は取材してて驚いたんだけど、この2016年の4月からは2011年から数えて5年経っているんで、
2011年の被ばく線量はゼロになるんです。
リセット。
2012年、13、14、15、16の5年で100ミリっていうことになるので、
2011年に高線量被爆した作業員の方々は、一旦それがリセットされてゼロになったので、
今年の4月から戻ってるんです。
同じ人間なんですけどね。
ほんとにその、でも去年まで2015年度まではそのベテランの方が被ばく線量が多くなっていて、
もうどんどん働けなくなって。
とてもビギナーの方によるヒューマンエラーが人身事故がとても多かったんですね。
職歴が2年以下の人達がほぼほぼ人身事故を起こしていて、
その内、半分以上が半年以下の人達っていうような調査も東京電力として出していたり。
だから、ほんとに作業される方を確保するっていうのは、現場の方に聞いても凄く大変なことになっていて。
そうすると、どうなるかって言うと、私、2011年に大阪から東京に引っ越したんですけど、
大阪の西成の協会の方に伺うと、ホームレスの方々とか刑務所の方々に求人が来てて、
もうバスでニシナリにいるホームレスの人達がごそっと連れて行かれたりして、
協会の人達が凄く探して困ったというような話とかもよく伺いましたね。

いまにし:
ちなみに、刑務所で服役してる方にも求人が多々あって、刑務所に車が迎えに来ます。

おしどり(マコ):
やっぱりそうなんですねえ。

いまにし:
玄関前に迎えに来ます。

おしどり(マコ):
そうですよねえ。
それで、ちなみにチェルノブイリの原発事故の時も、廃炉作業する人達は足りなくなったんですけど、
軍隊が、徴兵された軍の人達がずーっと廃炉作業にあたっていたんですね。
なので、原発の廃炉作業というのは、本当に人化戦術というか凄く人が足りなくなる。
でも、原発事故が起こらなくても、原発っていうのは本当に人を使い捨てにする発電で。
取材してビックリしたんですけど、定期検査の時に原子炉の中を定期検査するのに、
「人が入る前に汚れを拭き取る人がいるんだよ」って言われて、
「ちょっと待ってください。うん? それも人じゃないんですか? よく分かんない。」
って言ったことがあって。
本当に事故が起こらなくとも原子力というのは、凄く人を使い捨てにする発電なんだんなあというのを思ったね。

河合先生:
被ばくの上に成り立ってる発電ですよ。

おしどり(マコ):
そうですよねえ。ほんとに思います。