おしどりマコ:
今日は、私達おしどりが今年2月に行ってまいりました
ドイツの取材のお話をしようと思います。

おしどりケン:
ドイツですね。

おしどりマコ:
ドイツ2014年から毎年呼んで頂いてあちこち取材してるんですけど。
今年の2017年のドイツもいろいろ興味深いことがありましたね。

おしどりケン:
ありましたよ。

おしどりマコ:
何から話そうかなあ。
ドイツって、福島第一原発事故の後、脱原発に政策を舵を切ったじゃないですか?

おしどりケン:
はいはいはいはい。

おしどりマコ:
私、2014年から割とあちこちの原発に関する市民団体の方々のアクションもいろいろ取材をさせて頂いてるですけど、
皆さん、ドイツの脱原発団体がもう国として原発を止めるって決めた後、何をしてるかっていうのはご存知ですかね?

おしどりケン:
今現在?

おしどりマコ:
今現在。
メルケル首相が「脱原発します!」っていう事を決めた後、
それをもっと前倒しで原発を全部なくすことは出来るだろうって。
「もっと3年早くしろ」とか
「4年早くしろ」とか
「全部廃炉にする年月を予定より前倒しにしてくれ」
っていうことをアクションとして一つやってます。

おしどりケン:
もうだから脱原発が決まったからと言って、「ああ、良かった」じゃないんですね。 

おしどりマコ:
そう。終わってなかったんだよねー。
もう1つが、そのどんどん廃炉にドイツの原発をしていくので、
その廃炉にしたものの放射性廃棄物がどうやって運ばれて、どういう処分をされるのかという、
放射性廃棄物の処分に関しての市民がどうやって監視していくかのネットワーク作りとか、
情報開示の方法とか連絡網ね、ゴアレーベンとかアッセとかコンラットとか、
いくつか廃棄物の処分場があって、その辺りをどうやって繋いでいくかという会議も
もう起こってましたね。

おしどりケン:
凄い向こうはやっぱりネットワークが凄いしっかりしてますよ。

おしどりマコ:
情報共有とかが凄かった。
私ね、あともう1個ドイツの方々が動いてて凄いビックリしたのは、
ドイツは、自分の国の原発を止めた後、今、隣の国の原発も止めようと動いてるんですね。
びっくりしちゃった。すげーっと思って。

おしどりケン:
凄いでしたね。
これ、日本に置き換えて考えると、なかなか想像つかないことですよ。

おしどりマコ:
韓国の原発を止めに行くっていう話やからね。

おしどりケン:
そうねー。

おしどりマコ:
ドイツのアーヘンという街がありましてですね。
そのアーヘンというのは結構、国境沿いにあって、
ベルギーとオランダに接してたりする地域が3国って言うんですけどね。
3つ国の境目の頂点みたいな所があったり、割と国境沿いの街なんですよね。

おしどりケン:
そうですね。

おしどりマコ:
アーヘンという街はベルギーのティアンジュ原発という、
とても古い原発から70キロの所に、ドイツのアーヘンという街があるんです。
その、もしティアンジュ原発が事故とか何か問題を起こしたら、
その風向きによって、70キロ離れてるドイツのアーヘンという街はとても汚染されるということが、
いろんな調査の結果分かっていて。

おしどりケン:
もうそういう事は分かってるんですね?

おしどりマコ:
うん。なので、そのアーヘンは昔から「ティアンジュ原発止めろ」っていう運動があったらしいんですけど。
それが、どんどんどどん盛んになっていって。
ティアンジュ原発は1号機が1975年から運転してる、とっても古い原発なんです。
古いけれど、ヒビだらけなんだけど、キチンと情報開示がされてなかったり、
トラブル続きだけど、それも情報をキチンと出さなかったりなので、
どんどんそのティアンジュを止めて下さいっていう運動が高まった末、
なんと去年の4月、ドイツ政府が政府としてベルギー政府に
「ティアンジュ原発を運転停止させろ」っていう要望を出したんですよ。

おしどりケン:
国が?

おしどりマコ:
国が。凄いよね。

おしどりケン:
凄いですよね。これは。

おしどりマコ:
それで、そのドイツ政府がそういう要望をドイツの具体的に言うと、
環境大臣がベルギー政府に要請したんですけど。
その2日後に、同じような近くの接してるルクセンブルクという所のルクセンブルク政府も
ドイツ政府に同乗しますということで。

おしどりケン:
なるほど。同じ意見だと。

おしどりマコ:
「同じ意見です」って乗っかってきて。
だから、ティアンジュ原発の2号機とね、もう1個ベルギーに古い原発のドール原発っていうのがあるんですけど、
ドール原発の1号機だったかな?
「その2つの原発の即時停止と詳細な点検と情報開示をしろ」
っていう事を、今、隣の国の原発なんですけど、申し入れをしているという。
びっくりしました。

おしどりケン:
やっぱり、もう原発を持ってる国だけの問題じゃないっていう事ですよね?

おしどりマコ:
そう。ほんとにね。
その原子力は放射性物質は国境では止まりませんからね。
それと、PTBというドイツ連邦の物理工学研究所も取材しに行ってきたんですよね。

おしどりケン:
これは、なんか珍しい所を取材できて嬉しかったですね。

おしどりマコ:
嬉しかったです。
そこは、原子時計とかいろいろ単位のSY単位計という
国際的に共通の単位のキログラム・質量の凄い難しい言い方をすると、
再現可能な質量をちょっと研究してる所なんですけれど。
「大気の放射性物質をずーっと測定してるんだけど見てみる?」
みたいな話になって、そうしたら、びっくりする事に、
1986年のチェルノブイリ原発事故のその放射性物質のピークもキッチリそこの研究所ではキャッチしてるんですけど。

おしどりケン:
折れ線グラフでね。

おしどりマコ:
そうですね。山ですね。

おしどりケン:
ピーンって、山が一番高いとこまで登ってましたねえ。

おしどりマコ:
でも、2011年の福島第一原発事故もちゃんと放射性物質のピークをバッチリ検出しているんですよね。

おしどりケン:
そうですね。
てっぺんまでとは言いませんけども、やっぱりグラフの半分ぐらいまでは上がってましたね。

おしどりマコ:
うん。2011年にね、福島第一原発から出た放射性物質は、
大体10日で地球を1周したっていうのは知ってはいましたけど、論文とかで出てるのは知ってはいましたけど。
でも、はっきりとドイツの研究所で、これだけピコーンって跳ね上がる山を検出してたんだっていう事は、
やっぱり改めて見てショックだったのと。
あと、やっぱり日本の人間として、こんな遠く離れた国まで放射性物質が届いて汚染しちゃったんだなっていう事で、
凄く申し訳なく思いましたね。

おしどりケン:
そうよね。

おしどりマコ:
あと私が一番驚いたのは、今、日本では。
今っていうか、2011年からそうなんですけど、短半減期核種。
短い半減期の放射性物質は評価されてないんですね。
半減期というのは、元々の物質が半分になる量、半分になるまでにかかる時間のことを言うんです。
例えば、甲状腺に一番影響のあるヨウ素131という放射線物質は、8日間で半分になるんですね。半減期が8日の。
だから、8日の倍の16日だと、4分の1になるんですよ。

おしどりケン:
なるほど。

おしどりマコ:
そう。そういう感じで半減期を何回も何回も繰り返していくと、どんどんどんどん。
その半分、そのまた半分って減っちゃうんだけど。
だから、半減期が短いってことはどんどんどん無くなってしまうので。
その私が気になっているのは、ヨウ素132というのも同じように甲状腺に影響を与える放射性物質なんですけど、
無茶苦茶、半減期短いんですよ。2.3時間。

おしどりケン:
2.3時間で。

おしどりマコ:
で半分になるの。
その親核種であるテルル132っていうのは大体3日ぐらいだったかなあ。
で、半分になるんです。
 
おしどりケン:
じゃあ、もうドイツに到達する頃には、もうほとんどねえ。

おしどりマコ:
半減期を何回も何回も過ぎているはず。

おしどりケン:
じゃあ、もう何分の何十分のとか、もう凄い小っちゃく小っちゃく、少なく少なくなってるはずですよねえ。

おしどりマコ:
そう。この間、きっちり検出してたんですね。

おしどりケン:
そうなんです。
このドイツのグラフでは、その短い短減期のものもきっちりグラフとして表われてましたもんねえ。

おしどりマコ:
うん。そう。
だから、日本ではヨウ素131とセシウム134と137による影響しか評価には入っていないから、
この短い半減期の核種が、どれだけ初期被ばくとして影響を与えたのかっていうのをずーっと私は調べるために。
日本政府がしないから、他の研究所が持っている、その短い半減期の核種、ヨウ素132やテルル132のデータを、
私個人的に集めてたんですよ。
どこがどういう足跡を持ってるのかっていう事をね。
なので、私、ドイツにまでテルル132とヨウ素132のデータがあったのかっていうのが、凄いへこたれました。

おしどりケン:
もうびっくりしましたね。

おしどりマコ:
こんなに出てたのかっていうのが。

おしどりケン:
ドイツで計測できるっていう事の本当に逆算していった時の量がどれだけ多かったか、大量だったかっていうことですよねえ。

おしどりマコ:
そう。それがへこたれました。
いろいろダイジェストでドイツのご報告をしたんですけど、
私、最後の方で放射性廃棄物の処分場の会議に行った時に、そこに参加されてた方に言われたんですけどね。
「今後、もう自分達が生きている間に、数十年の間に、世界のどこかで必ずまた原発事故が起こるでしょう」と。
「もうそれは本当は避けたいけど、今の段階では避けられないことだと思うので、
 もし万一、世界のどこかで原発事故が起きた時に、こうしたらもっと住民の被ばくが少なかったというような、
 こうすれば良かったというような知恵や検証結果を日本は世界にもっと提示したらいいのに」
ということを言われて、「ああ、もう本当にそうだなあ」と思って。
ドイツにまで放射性物質が届いているのに、
「影響はないです」と言い続けている状態という風に見られてるんだなあ
というのを凄く悲しく恥ずかしく思いましたね。

おしどりケン:
そうでしたね。

おしどりマコ:
うん。ということで、おしどりの報告でした。
ありがとうございました。

おしどりケン:
ありがとうございました。