西谷文和:
さて、今日の“Light Up!ジャーナル”ではですね、
昨年末、12月29日に東京渋谷の LOFT9 Shibuyaで
市民のための自由なラジオ“Light Up!” 大忘年会が開催されました。

その時に、元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんにお電話をお繋ぎして、
先生のご意見をお伺いしました。
舞台上の進行はいまにしのりゆきさん、木内みどりさん、おしどりマコさん・ケンさんです。
そして、豪華ゲストとして山本太郎参議院議員、映画監督で弁護士の河合弘之さん、
元東京電力社員の蓮池透さんでお送りしました。
それでは、このイベントにおける小出裕章さんへの電話生中継をぜひお聴きください。

小出裕章:
もしもし。

いまにしのりゆき:
小出先生ですか?

小出さん:
はい、そうです。

いまにし:
まいどです。いまにしのりゆきです。
よろしくお願いします。

小出さん:
はい、こんばんわ。
よろしくお願いします。
なんか素晴らしいメンバーですね。

いまにし:
どうぞ、小出先生。
太郎ちゃんどうぞ、小出先生。

山本太郎参議院議員:
お元気でしたか?

小出さん:
はい、なんとか生きています。

山本さん:
長生きしてもらわないと困りますよね。ありがとうございます。

いまにし:
河合先生は小出先生はお久しぶり?

河合弘之さん:
小出先生、弁護士の河合です。いつもお世話になります。

小出さん:
はいはい、こちらこそ。
つい先日、河合さんの映画、また拝見させて頂きました。

河合さん:
ありがとうございます。

小出さん:
ありがとうございます。

河合さん:
もう長野に引っ込んじゃったんでしたっけ?

小出さん:
はい。松本市に今は住んでいます。

河合さん:
東京に出てきて、もっと僕たちを助けて欲しいんですけど。

小出さん:
はい、ありがとうございます。
私も京都大学を定年退職しましたので、
そろそろ引退させて頂けるんじゃないかなと思いながらはいましたけれども。

河合さん:
ダメダメ。

小出さん:
まだ、やらなければいけない事が残っていることは承知しています。

河合さん:
小出先生ね、あのね福島第一原発、今廃炉の作業やってるじゃないですか。
だけど、本当にできるのかなあっていう疑問を僕持っててですね。
10年後の福島第一原発ってどうなっていると思われます?

小出さん:
今の状態が続いてると思います。
東京電力は溶け落ちた炉心を掴み出して、
どこかに隔離するというようなことを言ってるわけですけれども、
そんな事は10年後もまだ出来ていないと思いますし、
汚染水対策も、まだ10年後にも続いてると私は思いますので、
基本的には今の状況がまだ10年後に続いてるだろうと思います。

河合さん:
それでね、仮に例えば40年後に持ち出せたとしますよね。デブリを。
でも、それをどこに捨てるつもりで取り出す努力をしてるんだろうか?

小出さん:
ご存知だと思いますけれども、
1986年に旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所という所で、やはり大きな事故が起こりました。
その事故でも、溶け落ちたデブリ自身には全く手を付けられないまま、現在も時が過ぎています。
既に事故が起きてから30年経っているのですけれども、
溶け落ちたデブリに近づくことが出来ないまま、とにかく石棺で覆うということをやってきたのです。
初め覆った石棺が30年経ってボロボロになってしまいまして、
11月29日に新たに第二石棺という、より巨大な覆いで封じ込めるということをやったわけですけれども。
その第二石棺は、たぶん100年持つという計画で造られました。
つまり、これから100年経ってもまだ溶け落ちたデブリには手を付けられないという、そういう状態なのです。
福島の原子炉も溶け落ちてもうすぐ6年になるわけですけれども、
手を付ける等ということは当然できないと思いますし、
今、ご質問下さった方、「40年後」とおっしゃましたけれども、到底、手も付けられないだろうと私は思います。

河合さん:
はい、ありがとうございました。

山本太郎さん:
今の河合先生の続きの質問を山本がします。
じゃあ、どういうスタイルを持って現状をおさめていくのが最大の理想と。
どういう終息方法、終息しないにしても、
これ以上被害を広げないために、どういう手を打つのが一番有効だと思われますか?

小出さん:
2011年3月に事故が起きたわけですけれども、
5月の段階で、溶け落ちた炉心が地下水に接触してしまうと、もう手の打ちようがないので、
一刻も早く地下に遮水壁、「地下ダム」とそれを呼んだ方もいらっしゃいましたけど、
そういう物を建設して、汚染水が海へ流れないようにするしかないと私は言ったのですけれども。
残念ながら、東京電力がそれをやってくれないまま時が過ぎてしまいました。
でも、時が過ぎても、どうせやらざるを得ないことだったわけで、
2年ぐらい前から、凍土壁という遮水壁を造ろうと、東京電力と国がやってきました。
しかし、凍土壁なんてものは、地面を凍らせた壁を造ると言っているのですけれども、
そんな物が長い間、維持できる道理もないので、
私はできないと発言してきましたし、結局、今でも出来ないままになってしまっています。
一刻も早く、もっとしっかりとした遮水壁を造って、
汚染水がこれ以上増えないような対策をしなければいけませんし、
もっと根本的に言うなら、もう水で冷却するということを諦めて、
例えば空冷というような形で、汚染水の増加を防いで、
海への流出を防ぐということをやるべきだと思います。

おしどりマコ:
小出先生、おしどりマコです。お久しぶりです。

小出さん:
はいはい、マコさん?

おしどりマコ:
はい。早口すぎましたよね?
すみません。

おしどりケン:
僕も聞き取れなかったよ。

おしどりマコ:
ごめんごめん。
あのね小出先生、先程のデブリの置き場所なんですけど、私、それ調べていて。
私も取り出せないと。
取り出すの物凄い難しいと思うんですけど、
一応、取り出したデブリの保管場所っていうのは用意されていて、
それは、福島第一原発の敷地内の5、6号機の北側の7、8号機の予定地。
そこを取り出したデブリの保管場所として空けてあるんですよ。
なので、今、汚染水の問題でタンクがもう足りなくなって逼迫していて、
本来使わないはずの漏れやすいタンクまでしょうがないから使わないといけない。
それで、漏れやすいタンクを「よーし、もう一度再利用して漏れました」っていうことが続いてるんですけど。
なんで、空きスペースがあるのに、タンクを置けるのに造らないんだっていうことを取材していったら、
一応、そこは将来デブリを取り出した後に、一応仮置き場として置く場所として、
用地として残してあるという風なことは、一応、回答として出てきたね。
という事があったんですよ。
だから、仮置き場なんで、永久の恒久的なものではないんですけどっていう事を聞きました。

いまにし:
けど、仮置き場という風なことであれば、また、いつ地震がくるかも分からないし。

おしどりマコ:
そうです。

いまにし:
今度きて、仮置き場が津波にあったら、もうどうにもならないですよね。小出先生。

小出さん:
もちろんそうです。
ただ、私は先程からデブリ自身、取り出すことができないと言ってるわけで、
結局、その7、8号機の建設予定地がデブリ置き場になるかどうかすらが、
今の段階では全く不確定だと私は思います。
それより前に、今、例えば、汚染水対策として、汚染水の中からセシウム137という放射性物質、
或いは、ストロンチウム90という放射性物質を除去しているわけですけれども。
除去するということは消したわけではないのです。
それは、そのまま要するに取り除いた形のまま残ってしまっているわけで、
膨大な危険物が汚染水からは除去されたけれども、また別の形で敷地内に溜まってきてしまっているのです。
それを保管するということ自身が大変危険な困難なことで、今、それと格闘しているのです。
その置き場も、どこかにやはりまたどんどん増強していかなければいけないわけで、
7・8号機の敷地予定地ということも、その為に使わなければならなくなるかもしれないのです。
福島の事故というのは本当に過酷な事故で、これから何をどうやって出来るかということすらがよく見通せないという、
そういう状況が今現在続いているのです。

いまにし:
という事で、小出先生、すいません、ありがとうございました。

小出先生:
いいえ。はい、ありがとうございました。