いまにしのりゆき:
今日のライトアップジャーナルは、元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんがお住まいになられております
長野県の松本市、松本市役所にお邪魔をして直接お話をお伺いしたいと思います。
よろしくお願いします。

小出裕章さん:
はい、よろしくお願いします。

いまにし:
先立ってですね、この番組にゲスト出演を頂きました松本市の菅谷昭市長はですね、
いわゆる甲状腺疾患を研究されているお医者さんでもいらっしゃいますよねえ。

菅谷昭市長:
はい。

いまにし:
日常のそういう生活ですとか防災面でですね、
チェルノブイリや福島の教訓をいわゆる松本市の市政に活かすのかという事を
凄く真剣に取り組んでおられるなあという印象を受けたのですが、
小出さん、実際、お住まいになられていかがでしょうか? 松本市。

小出さん:
今、いまにしさんがご紹介下さったように、菅谷さんは元々お医者さんだったわけで、
人間の健康ということを何よりも大切にするという方です。
市長になられてからも、健康寿命延伸都市というのを彼の旗印にしていまして、
健康に豊かに生きられるという、そういう人達をこの街で増やしていこうとして、
様々なことを彼がやってきて下さっていて、有難いと私も思っています。

いまにし:
小出先生も寿命伸びそうですか?

小出さん:
ええ、もう私は大阪にいた時は、もういつ死んでも不思議でないと思いましたけど。
こちらに来てからは、とにかく山に囲まれて空気は美味しいし、
温泉はもうそこらじゅうにあるしということで、
こんな所だったら長生きできるかもしれないなぐらいに思うようになっています。

いまにし:
なるほどなるほど。
飲み過ぎには気をつけて下さい。

小出さん:
そうですね。それが一番の私の場合はがんだと思います。

いまにし:
そんな中でですね。鹿児島県の三反園訓知事がですね、
それまでは川内原発再稼働を推進してきた前の知事の伊藤さんの原発推進するやり方はあかんということでですね、
「原発をなくし、鹿児島を自然再生エネルギー源にしよう」という主張を展開され当選されました。
小出さん、非常にこの三反園新知事のですね、
この新しく出されましたキャッチフレーズっていうのは良いなあという印象があるんですが、いかがでしょうか?

小出さん:
はい、私もそう思います。
私は元々政治が大嫌いで、政治には関わらないとこれまでも発言をきましたけれども、
今はもうそんな事を言ってられないほど、日本の政治がひどい状況になってきたと思います。
自民党政権によれば、とにかく経済最優先。
原発でも何でもどんどん再稼働。
本音を言えば再稼働どころではなくて、原発の新規建設までしたいと彼らは思っているわけです。
残念ながら選挙をすると、自民党がまた勝ってしまうというような状況の中で、
実際に原子力発電所を抱えていた。
そして、保守王国とも言われていた鹿児島県で、原子力発電に抵抗しようというような知事が生まれたということは、
私にとっては大変ありがたいことだと思いました。

いまにし:
はい。それでですね、以前にも少しお伺いしたのですが、熊本の大きな地震がありました。
川内原発ですね、熊本の地震があった所っていうのはそんなに距離離れてません。
そういう一つ皆さん不安に思われてる中で、やはり原発をちょっと見直した方がいいんじゃないかという、
この知事の考えっていうのは非常にマッチしてるなあという気がするんですが。

小出さん:
はい。再稼働に許可を与えた伊藤知事自身が、
「もし事故が起きてしまえば、住民を避難させることは難しい」というようなことを
初めから言っていたわけです。
そして、今、いまにしさんおっしゃって下さったように、熊本地震がありまして、
あの地震というのはたまたま熊本で起きて、西や東に動きながら熊本県、或いは大分県の辺りで動いたわけですけれども。
あの地震は、実は中央構造線という日本最大の活断層の一部で動いたわけで、
それがもう少し南の中央構造線で動いたとすれば、川内原発の真ん前で動いてしまうという大変危機的なことを、
あの熊本地震が教えてくれているわけですし、たぶん三反園さん自身はそのことも意識して、
「大きな事故は絶対まず起こしてはいけないんだから、まずは止めなさい」ということだと思います。

いまにし:
はい。小出さん、川内原発、万が一事故が起こった場合、どのような固有の問題が発生すると思われますでしょうか?

小出さん:
行ってみられたらいいんですけれども、川内原発が立地されてる所、
云わば、いわゆる過疎地と呼ばれてるような所なわけで、道路事情もよくありませんし、
仮に地震あるいは津波のようなもので福島の原子力発電所の事故が起きたけれども、
同じような状況になれば、おそらく避難道路自身がもう通ることができないということになりますし、
津波がもし押し寄せてくるとなると、川内原発というのは河口にあるのですけれども、
川沿いにまた津波が遡上していって、その川沿いの道も使えなくなる。
あるいは、川沿いからまた海の津波が逆流してきて、川内原発を襲うというようなこともあるかもしれませんし、
九州というのは巨大カルデラという、巨大な火山の爆発というのが度々あったということが分かってるわけで。
鹿児島の今、桜島ですね噴火してますけど。

いまにし:
そうですね。もう年中噴火してますよねえ。

小出さん:
あそこの鹿児島湾っていうのは、実は巨大なカルデラの痕なんですね。
ですから、あそこでまたもう一度噴火するようなことになれば、
火砕流が川内原発を襲うというようなこともあり得るというか、
実際にもう過去にはそういうことが起きているわけであって、
そうなれば道路が通れるなんてことは到底ないわけですから、
住民は逃げることもできないだろうと思います。

いまにし:
はい。それで、三反園知事ですね、「原発は絶対に事故を起こしてはいけない」と
「だからこそ、九州電力は停止して再点検すべきではないか」という主旨のお話をされています。
これまさに正論なんですが、九州電力ほとんど耳を貸そうとはしませんねえ。

小出さん:
全然しないですね。九州電力だけでなくて、関西電力も高浜原発を一度は再稼働させたわけです。
どこの原子力発電所をやってる電力会社も全く反省もしていないわけですし、
反省どころか彼らは逆に、これからもし再稼働して事故を起こしたとしても、
福島第一原子力発電所の事故の場合にそうであったように
「誰も責任を取らずに済む」、「誰も処罰をされないで済む」ということを彼らは教訓として学んでいるわけですから、
もう彼らとしては怖いものは何にもない。
どんどんやって、事故になっても俺達は知らないと逃げることが出来るという風に、思っているわけです。

いまにし:
そうですね。ほんとに困ったもんですけれども、何とか三反園知事には一石を投じる意味でも頑張って頂きたいものですよねえ。

小出さん:
そうですね。是非、頑張ってほしいです。

いまにし:
ありがとうございました。
今日のLightUpジャーナルは、長野県松本市から小出裕章さんに直接お話を伺いました。