西谷文和:
今日は、今中哲二さんに繋がっています。今中さん、よろしくお願い致します。

今中哲二さん:
はい、こちらこそよろしく。

西谷:
今中さん、今日は『防衛費から大学へ補助金支給ってどういう事?』と題してお送りしたいと思いますが。
今中さん、これ調べてみますと、防衛費5兆円超えてるじゃないですか。
その内のこれ大学へ、これ軍事研究なら大盤振舞するということで、
去年は2016年度は6億円だったんですけど、来年は110億円。

今中さん:
はい、それは凄いですね。

西谷:
これ凄いお金ですよねえ。
これ今中さん、普段その研究費を削っておいて、戦争に関する研究なら、
こんだけ大盤振舞って、これどう感じられてます?

今中さん:
とにかく防衛庁、防衛相ですか。
やっぱり大学の先生なりをいろいろ取り込んでいきたいという意図があるんだと思いますよ。

西谷:
決して武器の研究だけではない。
つまり、いわゆるデュアルユースですね。
民生技術も使えるから両方いけるからということで、このお金を使ってくれと言ってるんですが。
このセンスって、どういう風にお考えですか?

今中さん:
そういう意味ではいわゆる技術、科学技術というやつは、
要するに、使い方の問題なんで、軍事か商業用民生用かという区別のないものは山ほどありますよね。

西谷:
そうですねえ。

今中さん:
ロケットでもそうですし、ロボットでもそうでしょうし、コンピューターでもそうですすし、原子力だってそんなもんですから。

西谷:
そうなんです。
原発だって電気を発電する平和利用でありながら、核兵器をつくれるという。こういう事でしょ?

今中さん:
だから、やっぱりそこで問われるのは、研究者側の基本的なスタンス。
特に社会との関わりをどう考えるかという事だと思いますねえ。

西谷:
ノーベル賞取られた方がおっしゃってるんですが、すぐに役立たないけれども基礎研究は大事だと。

今中さん:
そうですねえ。
大隅先生なんかは、いわゆる今の大学の中では心配されてるんだと思いますよ。

西谷:
今あるすぐに役立つものばかり求めると、学問というのが細っていく可能性ありますよね?

今中さん:
と言うかね、一番最悪なのは、いわゆる大学の今の先生、研究者がいわゆる法人化になってから、
任期制が導入されてるんですよね。

西谷:
任期制というのは例えば……。

今中さん:
5年とか10年。

西谷:
5年とか10年で研究しなさい。

今中さん:
それまでにちゃんと成果をあげなさいと。
そうしなければ、その後、再任されるかどうかは分かりませんよ、というような。

西谷:
という事は、すぐに結果出せということになってしまうわけですか?

今中さん:
そうですね。はい。
ですから、結果を出さなきゃいけないということで、
自分の立場なり、自分のスタンスを考えていくというような余裕がだんだんだんだん無くなってくるんだと思いますよ。

西谷:
はい、そんな事でですね、今、デュアルユースの話が出て、原発は正にそうではないかという話がありましたけれども。

今中さん:
原発は一番最初からそうです。

西谷:
両方という。

今中さん:
はい。

西谷:
僕らから見たら誤魔化されていたという風に思うんですけども。

今中さん:
っていうか、軍事事業から始まってるわけですから。はい。

西谷:
そうか。
それでね、ちょっと具体的にお聞きしたいのは、もんじゅが廃炉になったと。
それで、もんじゅの使用済み燃料を再処理するRETFというのをね、
私、福井県の明通寺の中嶌哲演さんという住職さんから初めてお聞きして、
これリサイクル機器試験施設というらしいですけど。

今中さん:
はいはい。
もんじゅの再処理の特徴は、爆弾にするのに良いプルトニウムが出てくると。

西谷:
それね、中島住職もおっしゃってたんですよ。
このプルトニウムが物凄い純度が高いから、だから、このRETFで出てくる再処理された物は……。

今中さん:
そうですね、原爆向きのプルトニウムが出来ると。

西谷:
これ、正に長崎型原爆じゃないですか?

今中さん:
そうですよ。

西谷:
ねえ?

今中さん:
はい。

西谷:
これを1200億円もかけて、この施設を造ってるということは……。

今中さん:
造ってたんですけども、今はもう止まってると思います。

西谷:
今、一時休止ですか?

今中さん:
はい。

西谷:
でも、核燃料サイクルは諦めてないわけでしょ?
日本は。

今中さん:
そうですねえ。
ですから、もんじゅがあんなにひどい状態なのに、
まだまだ息も絶え絶えですけども、なかなか無くならないというのは、
やっぱり、裏にそういう核兵器なり何なりの問題があるんだと思いますよ。

西谷:
でも、これも膨大な無駄遣いですよねえ。
こういう物を造ってるっていうこと自体。

今中さん:
これはね、福島の事故が起きたのはもう5年前ですかねえ。
その後、原子力をどうするかといった話が出た時に、
もし核燃料サイクルを止めちゃうと、いわゆる核抑止力が無くなるぞというような事は読売新聞の社説に出たりしましたから。

西谷:
なるほど。そうですかあ。
という事はですね、やはり、大学にその軍事研究なら大盤振舞するということと併せてですね、
やっぱり、この国は、表立っては言いませんが、その裏の理由としては、
やはり軍事大国になりたがってるっていうことでしょうか?

今中さん:
軍事大国というか、要するに、核兵器を開発する潜在的能力をずーっと蓄えておくというのが
原子力政策の裏に流れてると思います。

西谷:
なるほど。
だから、やっぱりこんな事故が起きても、それはこだわっておられるということですね?
今、日本の政治家の皆さんは。

今中さん:
はい。

西谷:
はい、よく分かりました。
今中さん、どうもありがとうございました。

今中さん:
はい、どうも。

西谷:
以上、ライトアップジャーナルでした。