西谷文和:
今日のテーマは、東京電力が福島第一原発二号機で溶け落ちた核燃料がどこに溜まっているのか初めて明らかにしたんですね。これ、どういう物を使って、中を見たんでしょうか?

今中哲二さん:
私も去年か一昨年ぐらいから何かやってるなというのは聞いてたんですけども。宇宙船っていうのはありますよね。

西谷:
宇宙船、X線とかですね。

今中さん:
空から、宇宙からくるやつです。

西谷:
はい。

今中さん:
その中に「ミューオン」っていうのがあるんですよ。

西谷:
ミューオン。はい。

今中さん:
もともと宇宙船というのは、正に宇宙から飛んできて、それはほとんどが陽子、プロトンというやつなんです。陽子というプラス1の電化を持ってるやつ、これ水素の原子核と一緒ですけども。

西谷:
それ理科で習いました。はいはい。

今中さん:
それが凄いエネルギー持って、大気中の原子核にぶつかるんですよ。大気、空気ですよね。空気って言ったら、大体窒素とか酸素とかありますけども。
そうすると、窒素と酸素の原子核がまたバラバラに壊れるんですよ。

西谷:
壊れていく。はい。

今中さん:
そして、その時にできる物の一つがミューオンなんです。それで、いろんな物できるんですけども、ミューオンっていうのは比較的透過力が強いので、
大気を抜けて、地表までかなり来てるということです。それで、それを使って透過力が強いんで、だから我々の体も毎日毎日ミューオンが突き抜けてるわけですけども。

西谷:
ミューオンが突き抜けてる。

今中さん:
調べてみたら、昔、エジプトのピラミッドってありますよね。

西谷:
ピラミッド。はい。

今中さん:
そのピラミッドの中がどうなってるかとか、それを調べるのに周りでミューオンを、だからピラミッドを通過してくるやつとかね。それで、その他には最近やられてるのでは火山。

西谷:
火山?

今中さん:
うん。

西谷:
阿蘇火山とか。

今中さん:
ええ。

西谷:
はいはい。

今中さん:
火山のを通過してくる、だから山を通過して抜けてくるミューオンを調べて、その中に密度の変化ね。
透過力が強いと言っても、重たいものがあると吸収されたり散乱されると。それを、ですから周りで測定して中の様子を調べると。そういう原理。

西谷:
なるほど。火山が噴火しそうになった時は、ミューオンで調べているわけですか?

今中さん:
そうそう。あんまり上手くいってるとは、私聞いてませんけども、一応どこにマグマが溜まってるよと。
マグマはちょっと密度が高いんで、それでやってるというのは見たことはあります。それで、それを使って福島の中の原子炉の御釜ですよね。
お釜の中の燃料がどうなってるか一度やってみましょうというのを、なんか去年か一昨年ぐらいから立ち上げてやってました。

西谷:
これでね、取り敢えず分かったことはですね、いわゆる格納容器の中に圧力容器ってあるじゃないですか?

今中さん:
ええ。はいはい。

西谷:
この圧力容器の下にデブリがあったと。

今中さん:
下というかね、圧力容器そのものは高さが30メートルぐらいあるのかなあ。20メートルから30メートルの長細いやつですね。BWRの場合。

西谷:
沸騰水のね。はいはい。

今中さん:
その真ん中へんに核燃料の置いてある部分がありますよね?

西谷:
はい。

今中さん:
それで、燃料が溶けると、その圧力容器、お釜の底へ落ちる。

西谷:
底へ落ちる?

今中さん:
はい。それで、それがメルトダウンですよね?

西谷:
はいはい。

今中さん:
それで底へ落ちて、それでお釜の底も抜けちゃったらメルトする。

西谷:
お釜の底が抜けたらメルトする。でも、格納容器がありますよね? その下に。

今中さん:
ええ。そしたら、その格納容器の底へ落ちると。それで、もし水とか全然なかったら、その格納容器の床が温度が上がって分解されて、ズブズブズブズブと、また溶けたやつが地面に潜り込んでいくと。

西谷:
「チャイナシンドローム。」

今中さん:
これがチャイナシンドローム。結局、どうなってるかっていうのをまずは調べたいということでやってたようです。

西谷:
今中先生から見てですね、この二号機に関して場所が分かったと。ある程度ね。

今中さん:
分かったというのか、ぼんやりと。要するに、影がちょびっとあるなあという程度で。

西谷:
これは、だからその廃炉に至る過程を100とすると、1ぐらい進んだんでしょうか? 10ぐらい進んだんでしょうか?

今中さん:
1ぐらいでしょうかねえ。はい。

西谷:
やっぱり、まだまだそういうレベルなんですね。

今中さん:
廃炉というか、要するに、私はまず現場検証ができてないんですよね。

西谷:
入れませんもんね。

今中さん:
うん。現場検証ができて、それからなんですよね。それから、もう本当に廃炉の話になっていくわけで。現場検証への1ステップ。

西谷:
がようやく、ちょっとだけ前に。

今中さん:
ちょっとだけという感じですね。

西谷:
これ、でも一号機と三号機もありますからね。

今中さん:
一号機はね、前にやってるんですよ。

西谷:
一号機やったんですか?

今中さん:
一号機やって、それでですから、圧力容器、お釜ですよね。お釜の中には燃料がないと。要するに、影が写ってないと。

西谷:
ということは、全部スルーしてしまったっていう事ですね?

今中さん:
そうです。ですから、メルトスルーしてると。それで、二号機についてはもともとの燃料があった分じゃない。即ち、メルトダウンはしてるけども。
それで、メルトスルーはせずに残ってる部分があると。それは、あくまで影を見てるようなもんですから、どれぐらい、もともとあった分の何割。凄く大雑把の話でしかありません。

西谷:
あとは、どうやって取り出すかですね。

今中さん:
そうです。どういう風に飛ばせるかというのをまず調べると。

西谷:
そうか。どうやって取り出すかは、その後やね。

今中さん:
そうです、そうです。取り出すかは、どうなってるかをまず調べると。私の言う現場検証ですけども。はい。

西谷:
それが、でもまだ放射線が高いから、まだいけないと。

今中さん:
でも、とにかくやってもらわなくっちゃと私は思ってます。

西谷:
そうですね。それをやらない限りは、事故は終われませんからねえ。

今中さん:
はい。

西谷:
分かりました。本当に、最初の最初の一歩のちょっとした一歩が進んだということだろうということがよく分かりました。今中さん、どうもありがとうございました。

今中さん:
こちらこそどうも。