木内みどり:
今日も元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんにお電話でお話を伺います。こんにちわ、小出さん。

小出裕章さん:
はい。こんにちわ、みどりさん。

木内:
ありがとうございます。まず、参議院選挙、本当に熱い熱い選挙が終わりましたけれども、鹿児島県知事に脱原発の知事が誕生したのは嬉しかったですね。

小出さん:
そうですね。全体で言えば、本当に悲しくなるような結果でしたけれども。

木内:
本当です。

小出さん:
鹿児島県知事選で脱原発の方が当選して下さいましたし、沖縄、福島とかで、現職を破るような形になって、大変そういう事に関してはよかったと思います。

木内:
嬉しいことだけ大きく見て、悲しいことはちょっと小さめに感じようと私も決意しました。

小出さん:
はい。そうですね。私もそうしたいです。

木内:
今日は、このことについてお伺いします。京都大学附属病院で火事があったそうなんですね。7月1日のことのようです。
放射線物質を扱う実験室が全焼、で、この火災によって放射線がでたようなんですけれども。
その放射線量の測定が、火事が鎮圧してからなんと4時間後で、それを公表されたのが3日後という対応だったそうなんですね。
この原子力関連施設の情報公開のあり方、そのスピードについて小出さんにお伺いしたいんですが、どう思われますか?

小出さん:
一言で言えば、もっと迅速にすべきだなと思いますけれども、病院にはいわゆる放射線管理区域というものが結構あります。
例えばX線の撮影室であるとか、CTの撮影室であるとか、そういう所は放射線の管理区域なのです。
ただし、それは放射線の管理区域であって、そこで放射性物質を取り扱っているようなことはないのです。
今回火事になった所は、放射能そのものを取り扱うというそんな実験室だったのです。

木内:
火災があった7月1日の午後11頃に放射線量を調べましたら、いっとき毎時16シーベルトあったと言うんですけれども。

小出さん:
今、みどりさんが16シーベルトとおっしゃいましたけれども、単位がちょっと違っていまして、正確に言うと、毎時16マイクロシーベルトです。
マイクロですから、100万分の1という意味ですね。
いわゆる放射線物質、放射線を取り扱うという現場では、時に、この程度の放射線量率は存在しています。
例えばですね、日本の法律で言うと、1時間あたり0.6マイクロシーベルトを超えるような場所は放射線管理区域にしなければいけません。
私がいた京都大学原子炉実験所でも、1時間あたり0.6マイクロシーベルトを超えるような場所は管理区域です。
管理区域の中でも高い低いがある訳ですけれども、1時間あたり20マイクロシーベルトを超えるような場所は、
高線量区域と呼んで、実験者に注意を促して、立ち入り制限をするとかいうことを私の職場ではやっていました。
ですから、1時間あたり20マイクロシーベルトなら高線量区域にした訳ですから、今回の場合は、1時間あたり16マイクロシーベルトなので、
かなり管理区域の中でも、放射線量の高いの場所があったということだと思います。
ただし、取り扱っていたインジウム111という放射性物質も、もう1つトリチウムという放射性物質も使っていたのですが、
総量がこういう言い方はあまりよくないですけれども、福島の事故なんかに比べれば本当に微々たるものであって、
周辺の方々に大きな危害を加えるというような量ではもともとなかったのです。
ですから、病院側もそういう事をふまえた上で、まずは火災を鎮火して原因を究明して、
それから記者会見ということにしたのだと思いますが、はじめに聞いて頂いたように、やはりもっと迅速にすべきだったなというのが私の感想です。

木内:
はい。ありがとうございました。
それでね小出さん、今日はスタジオに弁護士で映画監督、映画監督で弁護士さんの河合弘之さんがおいで下さっています。
いつもいつも小出さんは、「日本の司法に絶望している」と「信じない」と発言されていらっしゃいますけれども、
小出さんは河合さんとはもちろん交流は深いですよね?

小出さん:
はい、何度もお会いしています。
河合さんも原子炉実験所まで来てくださったこともあります。

木内:
そうですか。

河合さん:
こんにちわ、河合です。どうも。

小出さん:
こんにちわ、ご無沙汰しておりました。

河合さん:
ご無沙汰しております。小出さんのね映画の中で、やっぱり非常に重要な位置を占めてましてね。
「原発なんか止めたって、全然電気なんか足りなくないんだよ」と「停電なんておきてないじゃないか」と言うのをね、
グラフを以って示してくれて、ああいう分かりやすい説明って凄くねいいんですよね。

小出さん:
ありがとうございます。
私も何とかごくごく普通の方々に、曇りのない目で事実を見てほしいと思ってきましたし、
その為に、私自身も工夫を凝らしながら、皆さんにどうやって伝えるかと考えてきたのですけれども。
でも、河合さんの映画などを見ていると、凄いなあと私も思いました。

木内:
本当ですよね。映画の中で、白板に文字を書きながら説明したっていうのは、もう前代未聞だったと思いますけれども。

河合さん:
あれはね、アルゴアのまねなんだよ。アルゴアの「不都合の真実」で。

木内:
なるほど。不都合の真実で。なるほど。そんな事言わなければ分からないのに。河合さん。
というわけでした。
今日も、小出裕章さん、ご出演ありがとうございました。また、出てくださいね。

小出さん:
はい、よろしくお願いします。

木内:
ありがとうございました。