いまにしのりゆき:
前回ですね、西谷文和さんの回では、小出さんの同僚でいらっしゃいました今中哲二さんに
福島第一原発の汚染水対策について、凍土壁はどうなんかということでお話を伺いました。
今回はですね、小出さんから見た凍土壁の問題についてのご見解を伺います。
熊取六人衆と呼ばれたそれぞれの方、どのようにして福島第一原発の収束作業を見守っておられるのでしょうか?
早速、小出さんをお呼びします。小出さん、今日もよろしくお願いします。

小出さん:
はい。よろしくお願いします。

いまにし:
小出さん、今ですね2011年東日本大震災で事故を起こしました福島第一原発ですね、収束作業が続いておるわけなんですが、
とりわけ大きな問題の1つに汚染水対策というものがあります。
その為、今、凍土遮水壁というのが建設されておるんですけれども、これがなかなか上手くいっていないという報道があります。
以前から小出さんは、こんなもんうまいこといくわけありませんわとおっしゃられていましたが。

小出さん:
そうです。はい。

いまにし:
予想が当たってしまいました。

小出さん:
はい。何度もこの話を聞いて頂きましたけれども、今、東京電力が作ろうとしている遮水壁は深さ30メートル、
全長にすると1.5キロにも及ぶという巨大な壁なのです。
それを地下に作って、地下水の流れをせき止めようとしているわけですけれども、
地下水というのは流れの速い所もあるし、流れの遅い所もあるわけです。
1.5キロにも渡って作ったとしても、ある所では止まったとしても、ある所では壁が突き破られてしまうということに、
必ず私はなると思ってきました。
実際に今回そうなったわけで、仕方がないから、そこにセメントを今度注入してですね、そこを固めようということになったらしいですけれども。
そこを固めれば、今度はまた別の所が破れるだろうと私は思います。
仮に、某かその水を一応はせき止めたということになっても、凍土壁というのは常時凍らせておかなければいけないわけで。
その為にはポンプが回らなければいけませんし、冷媒と言ってる冷たい液体を流している配管が常に健全でなければいけない。
詰まってもいけないし、破れてもいけないというそういう物なわけで、そんな物が長い間維持できる道理がありません。
やはり、早く凍土壁というやり方は止めて、もっと恒久的な遮水壁を作らなくてはいけないと私は思います。

いまにし:
そうですよね。でも、いわゆる氷の壁作戦がですね、凍土壁上手くいかないと、
これから収束作業、廃炉作業にますます大きな影響を与えるんじゃないんかなあと思われてならないんですが。
どうなんでしょう?
根本的にですね、汚染水対策やはり見直す必要があるのではないかなあとも感じるのですが。

小出さん:
はい。もちろんそうです。
皆さん、原子力発電所から出てくる放射能の本体、普通は高レベル放射性廃棄物と呼ばれてるものですけれども、
それを日本の国は地下に埋め捨てにすると言ってきました。

いまにし:
はい。

小出さん:
その時に、埋め捨てにする場所で一番大切な条件というのは、そこに地下水が流れ込んでいない、水と接触する可能性がない場所を選んで埋め捨てにするということになっていたのです。
つまり、放射能は水と接触させてはいけないというのが大原則なのです。
それなのに、今は意図的にどんどん水を溶け落ちた炉心に向けてかけているという作業を続けているわけで、
私はもうそんな事はもう止めなければいけないと思っています。
確かに事故直後には、炉心を溶けさせない為に何としても水をかけなければいけないという時期はあったのですけれども、
既に、もう5年以上の歳月が流れていて、崩壊熱も随分減ってくれていますので、水をかけて冷却するというその手段自身をもう止めなければいけない。
それを転換して、汚染水の増加を防がなければいけない時期なのだと私は思います。

いまにし:
なるほど、なるほど。まず、冷やす所、根本的な所を変えないといけないということですね?

小出さん:
そうです。

いまにし:
分かりました。小出さん、ありがとうございました。

小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。