いまにし:
中部電力の浜岡原発、2011年の東日本大震災がありまして福島第一原発の事故。
それでですね、政府が要請をして、全ての原子炉が停止されて5年以上が過ぎました。
浜岡原発1号機から4号機を建設するのに地元の住民組織、云わば町内会を大きくしたようなものらしいですが、
総額30億7900万円ものお金が渡っていたという文書が見つかりました。

その組織の代表を務めた男性が直筆のメモを残しておられたということで、
それを関係者から提供を受けた立教大学共生社会研究センターが5月10日から公開を始めました。
浜岡原発のいわゆる原発マネーの流入について小出さんに伺いたいのですが。
まず、浜岡原発と言いますと、私も行ったことがあるんですけども、
本当に太平洋の海に面した所にそびえ立ってるというようなあれなんですが、
地域的にいわゆる南海トラフの地震があるとか、大きな地震が想定されているようなエリアで、
世界で一番危険な原発と呼ばれているというような話もありますね。

小出さん:
そうですね。皆さんご存知だと思いますけれども、浜岡原子力発電所は静岡県の御前崎市にあるのですが、
遠州灘の砂浜に面して建っています。
その場所は、過去繰り返し繰り返し東海地震という地震が襲って来た場所でして、
今後、ごく近い将来のうちに、また東海地震がやって来るだろうと言って、世界中の地震学者がそう考えているわけです。
そして、その浜岡原子力発電所は、予想されている東海地震の予想震源域のど真ん中に建っているということになっています。
本当に近い将来に高い確率で地震が起きる。
そして、その時の地震はマグニチュード8から9になるだろうと地震学者達が警告しているわけで、
そんな場所に原子力発電所があるということ自身が、とてつもなくおかしなことだと私は思ってきましたし、
おそらく浜岡原子力発電所を停止させたのは菅直人さんですが、彼もそのことに気付いて、
浜岡だけは止めなければいけないと思ったのだと思います。ぜひ、そうして欲しいです。

いまにし:
はい。それで、地元の町内会を大きくしたような組織に30億円を超えるようなお金を支払っていたということなんですけれども。
いわゆるこれも、そういう大事故、過酷な事故への懸念を住民の方々が持たれてて、
そこに頬被りをしようかなみたいな意味合いがあったのかなと思うんですが。
小出さんも全国いろんな原発の立地自治体の方々から相談も受けておるのですけれども、
こういう原発マネーっていうのはどこでもあるんですねえ。

小出さん:
はい。もちろん、どこでもあるわけでして、いまにしさんご自身も人形峠周辺での裏工作、裏金の使われ方ということを丹念に調査してくださって、
そのことに関しては、いまにしさんが公表してくださいましたよね?

いまにし:
はい。

小出さん:
今回は、浜岡の住民がきちっとメモを取っていて、それを公開してくださったということで、極めてまれなことだと思います。
公的な、例えば地方自治体、町とかというところに、某かの正規な形で援助をする、お金を落とすということは、
これまでも明らかになってきた例があるのですけれども。
そうではなくて、町内会を少し大きくしたような組織にまで、本当の裏金としてお金を落としていくわけですね。
おそらく、中部電力の中でも、そんなことを知っている人はほとんどいないだろうと思いますけれども、
本当にあきれた話ですし、汚い話だと私は思います。

いまにし:
それで、小出さんもいろんな原発の立地自治体で関わられてきたことがあろうかとは思うのですが、どうでしょう?
実際に、この間まで原発反対と言った人が急に会合に来なくなったとか賛成とか言い始めたとか、
なんかそういうような事ってございましたですか?

小出さん:
そういう事例を私自身が経験したかと問われているのであれば、私は知りません。
ただし、ずっと原子力を反対してきた団体が次々と力を削がれて、やがて崩壊に追い込まれて行くというのはどこでもあった話ですので、
おそらく電力会社からの切り崩しで次々とやられたんだろうなと私は思ってきました。

いまにし:
その裏側には、やっぱりこういういわゆる裏金的な大きなお金が動いているんだなぁというような、
やっぱり事にも一つなるんでしょうね?切り崩しについては。

小出さん:
そうですね、お金もそうですし、例えば活動してきた中心人物の例えば息子を雇ってやるとかですね。
そんな事ももちろんあったでしょうし、ある時には警察力を使って弾圧を加えて寝返らせるというような事もあったと思います。

いまにし:
はい。いわゆるそういう原発の立地する地域には、原発がお金のなる木という風になってしまっているということですよね?

小出さん:
そうですね。

いまにし:
東日本大震災で大きな事故が起こりました。福島第一原発でですね。
そのお金は、命の代償であるということをやはり今一度ちょっと考え直さないといけないのかなあと思うのですね。

小出さん:
はい。そうですね。今の世の中というのは、とにかく目先の金ということが何より大事なんだという風に皆さん思わせられてしまっているわけですけれども、
本当はそんなことではない。
きちっと人々が安心して地域で暮らしていかれるということが一番大切なことだということに地域の人にも気付いてほしいですし、
いわゆる企業のトップの人々も目先の金だけを追い求めるというようなことは止めてほしいと私は思います。

いまにし:
確かに、東日本大震災で福島第一原発の事故が起こりました。
今も10万人を超える方々が、故郷に戻れないという状況が現実続いておるわけですからねえ。

小出さん:
そうですよね。皆さんお一人お一人も想像してほしいのですけれども、何気なく続いていた自分達の生活がある日突然断ち切られて、家も家族もバラバラになってしまう。
地域の繋がりも断ち切られてしまうというようなことが起きたわけですし、それも1人でも2人でも10人でもなく、
なんと10万人を超えるというような人々が事故から5年以上も経った今も苦難のどん底に落とされたままという事態が続いているのですね。
本当にひどいことが続いているんだということを日本に住んでる皆さん、何とか気がついて欲しいと思います。

いまにし:
はい。わかりました。小出さん、ありがとうございました。

小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。