西谷文和:
今日のテーマはです、ズバリ『なぜ、もんじゅを廃炉にしないのか?』と題してお送りしたいと思いますが。

今中哲二さん:
是非、私も知りたいですね。

西谷:
おさらいなんですが、もんじゅというのは『高速増殖炉で、通常、水で冷やす原子炉をナトリウムで冷やしてる』これ間違いないですか?

今中さん:
はい。

西谷:
これ、なぜナトリウムで冷やすんでしょうか?

今中さん:
『高速増殖炉』という、まずその名前を考えてもらいたいんですけども。『高速』というのは、要するに『核分裂の連鎖反応を起こす中性子のスピード』の事なんですよね。
速い中性子。それでね、普通、原発ありますよね? PWRとかBWR。

西谷:
沸騰水型とか加圧水型。はい。

今中さん:
あれはね、核分裂の連鎖反応をするのに、非常にスピードの遅い中性子を使ってるんですよ。核分裂が起きて、ウランのね、
出てくる中性子っていうのは、非常にスピードが速い。大体、光の速度で言ったら、20分の1ぐらい。

西谷:
以前もおっしゃってましたよね。物凄いスピードですよねえ。

今中さん:
これを水に当ててぶっつけて、どんどんどんどんスピードを緩めて熱震動と同じぐらいにすると、500倍ぐらい核分裂を起こしやすくなるんですよ。
高速増殖炉というのは、そういう風に水はなくて、速いままで核分裂を起こしてやる。
そうすると何が起きるかと言うと、速い中性子で核分裂をすると、1回の核分裂で出てくる中性子の数が多くなるんですよ。

西谷:
たくさん出てくると。はい。

今中さん:
ですから、PWRとかBWRだったら平均で2.5ぐらいですけども、高速増殖炉だったら3ぐらいになるのかなあ。

西谷:
3つぐらい出て、次々と。

今中さん:
そうすると、結局、連鎖反応にいるのは1個ですよね。

西谷:
1個でいいんですか?
1個出て、また1個いる。

今中さん:
それが1個の核分裂起きて、また1個入る。壊れたりするのがありますけども、余りの分を『ウランの238』というやつ。要するに、核分裂しにくいというやつね。

西谷:
『劣化ウラン』と呼ばれている。はい。

今中さん:
これに壊せるというか、吸収させるんですよ。そうすると『ウランの239』になって、それがほっといたら……

西谷:
『プルトニウム』になる。

今中さん:
熱の239になって、プルトニウムの239が出来ると。それがプルトニウムの239は新たな燃料になりますから。
ですから、速い中性子で核分裂連鎖反応を起こして、核燃料を増殖させるというのが高速増殖炉なんですよ。

西谷:
ちょっと調べましたら、この高速増殖炉が実験炉、原型路、実証炉を経て商業炉となってるんですが、もんじゅの場合は2段階めの原型炉。

今中さん:
原型炉ですよね。はい。

西谷:
ですよね?

今中さん:
ですから、原型炉というのは、とにかくお金に糸目を付けずに、とにかく経済性を無視していっぺんつくってみましょうと。

西谷:
糸目つけてませんよ。もう湯水のように税金使って。1兆円ですよ。はい。

今中さん:
正直に言って、1995年にナトリウム漏れを起こして火災を起こした時に、もう高速増殖炉路線は先はないということで、日本の核燃料政策全体を、
要するに、原子力政策全体を見直す必要があったんですよね。

西谷:
95年、もう20年前に止めとかなあかんかったわけですよねえ。

今中さん:
それを結局止めずにズルズルべったり、ズルズルべったりきて、福島の事故が起きて、私は完全に見直しをするだろうと思ったんですけども。
それでも、まず完全な見直しが出来てないと……いう不思議なことですよね。お金ばっかりいっぱい食っちゃって。

西谷:
そうですよねえ。ちなみにアメリカ止めた。フランス止めた。イギリス、ドイツ止めてますよね?

今中さん:
はい、そうですね。はい。

西谷:
日本だけでしょ? やってるの。

今中さん:
日本だけですね。ロシアの高速炉ありますけども、これ果たして増殖炉かどうかよく分かりません。はい。

西谷:
という事はですよ。日本だけ、このような無駄遣いをしてですね、今よく言われてるのは1日5500万、年間200億円ものお金が維持管理に必要だということなんですが、
なぜ、これだけの止まってる原子炉にこんなにお金が必要なんですか?

今中さん:
核分裂の連鎖反応は止まってますけども、実はその熱を取り出すのに液体ナトリウムというのを使ってるんですよね。

西谷:
ナトリウムねえ。よくだから、はい。

今中さん:
これが冷えたら固まっちゃうんですよ。

西谷:
ナトリウムって金属ですもんねえ。

今中さん:
ええ、これ固まらないようにずーっと回してるということで、ランニングコストが凄く高いんだと思いますよ。

西谷:
なるほど。これ、もう究極の無駄遣いですねえ。

今中さん:
そうですねえ。不思議ですよねえ。なんで、そんな無駄遣いが許されるのか。

西谷:
それでね、ちょっとこの歴史を調べると、95年にナトリウム漏れ起こしてるじゃないですかあ。

今中さん:
はい。

西谷:
こんとき止めなかったでしょ。

今中さん:
ええ。

西谷:
2010年に試運転を再開したんですよねえ。14年ぶりに。

今中さん:
ええ。それで、すぐちょんぼしましたねえ。

西谷:
そう。すぐに炉の中に送致が落ちてね、また大変なことなったじゃないですかあ。

今中さん:
はいはい。

西谷:
これなんか、ほんまになんかエラーに次ぐエラーで、これ何でこんな事して、なんで止めないんでしょうねえ。

今中さん:
よく分かりませんけども、私の勘ぐりで言えば、高速増殖炉というのは、要するにプルトニウムを扱う技術なんですよね。

西谷:
やっぱりそこでしょ。

今中さん:
ええ。

西谷:
はい。

今中さん:
プルトニウムは扱う技術というのは、要するに、原爆をつくる為の基本的な技術ですから。

西谷:
出ました。やっぱそれですよねえ。

今中さん:
日本として確保しておきたいというのは、どっかにあるんだと思いますよ。

西谷:
ナトリウム冷却剤で使ってるから、ちょっとでも漏れたら火事ですし、水に触れたら爆発すると言われてるの、これ本当ですか?

今中さん:
ええ。それは、そうですね。非常に反応強いですから。ナトリウムを使うということに困難があるというのは、もう1995年の事故ではっきりしてましたねえ。
あとね、炉の特性そのものが非常に暴走しやすい。

西谷:
そうなんですか?!

今中さん:
そうです、そうです。例えで言えば、普通の原発は、云わばストーブで例えちゃうと『石油ストーブ』みたいなもんですよ。

西谷:
普通の原発は『石油ストーブ』。

今中さん:
うん。灯油のストーブ。

西谷:
はい。灯油のストーブね。はいはいはい。

今中さん:
私からしたら、高速増殖炉というのは『ガソリンストーブ』ですね。
非常に反応性強いですから、例えばナトリウムが沸騰したりすると、チェルノブイリのような暴走事故。
普通の原発は水がなくなったら核分裂も止まりますけども、高速増殖炉は非常に反応性が強くて、要するに核分裂の反応性ですね。
下手すると、暴走する可能性あります。

西谷:
これ、絶対動かしたらダメですよね?

今中さん:
動かしたらこわいと思いますよ。

西谷:
ズバリ聞きますが、政府が決断したら廃炉にできますかね?

今中さん:
政府が決断したら廃炉にできると思いますよ。

西谷:
でしょうねえ。

今中さん:
それは、いろんな問題出てくるかと思いますけども。はい。

西谷:
技術的には、廃炉は可能なんでしょうか?

今中さん:
はい。

西谷:
という事は、ズルズルズルズル決断しないまま、毎年200億円が浪費されている状態なので、1日も早く決断して廃炉にすべきなんでしょうか?

今中さん:
そうでしょうねえ。私はそう思いますよ。なんで廃炉にしないのかよく分からない。

西谷:
戦争末期ね、もうちょっともうちょっと言うてずーっと続けて、沖縄戦があって、広島・長崎あったじゃないですか?

今中さん:
はいはい。

西谷:
あれと同じ構造ですかね?

今中さん:
その構造は、日本の原子力政策全体がそうですねえ。どう見ても合理性がない所なのに、とにかく声の大きい人が、イケイケドンドンでどんどん行っちゃうという。
それですから合理的なチェック&レビューが効きませんから。

西谷:
戦前から変わってないですねえ。

今中さん:
なので、高速増殖炉もそうですし、再処理工場等の問題もそうですねえ。

西谷:
六ヶ所村(再処理工場)も同じですよね?

今中さん:
はい。

西谷:
分かりました。もう戦前からこの国は、政治が変わってないということですね?

今中さん:
政治なのか、われわれの文化なのかよく分かりませんけども。はい。

西谷:
分かりました。今日は、本当にもんじゅの話詳しく教えて頂きました。今中さん、ありがとうございました。

今中さん:
はいはい、どうも。ありがとうございます。