いまにしのりゆき:
私、ジャーナリスト今西憲之は、4月にありました熊本地震の被災地に震災直後に訪ねて参りました。
そこで、ありがたいことに「自由なラジオを聞いてます」という方もいらっしゃいまして、そういう方々から何人か質問がありました。

「何で川内原発止めへんのですか?」

確かにそうなんです。
今でこそ熊本の地震は若干落ち着きましたが、当時は熊本で地震があり、かつ大分、東の方にも広がってました。
そして、大分でも大きな地震がありました。
それから、しばらくして今度は、南の鹿児島の方にも結構大きな地震が起こるようにもなりました。
とりわけ川内原発があります鹿児島の西側の海に面した地域の断層も揺れ始めたというようなことがありました。
そこで、私、熊本の取材が一段落したゴールデンウィークに急きょ小出さんに連絡を取り、
実際に川内原発と熊本の地震の関係についてお伺いしました。

小出裕章さん:
現在揺れている地震というのは、中央構造線という巨大な活断層沿いに震源が動いています。
中央構造線というのは、日本を東西に横断するような日本最大の活断層でして、
それが本当に揺れるようなことになれば大きな地震になると言って、地震学者はみんな心配してきたものなわけです。
その一角で地震が発生して、震源が動いて、大分の方にも行ってるわけですし、
南西の方に動けば中央構造線が川内原発の近くを通っていますので、そちらで大きな地震が発生して、
川内原発が被害を受けるという可能性はもちろんあるわけです。
みなさん、川内原発、玄海原発ご心配になってると思いますけれども、
玄海は幸いなことに今まだ止まっているわけですので、何より心配しなければいけないのは「川内原発」だと私は思います。

むしろ運転中に地震が襲われて、例えば原子炉の運転を止める。
つまり、ウランの核分裂連鎖反応を止めるという操作はたぶんできると思います。
福島第一原子力発電所の1号機、2号機、3号機も地震に襲われて、原子炉の停止自身には成功したのですけれども、
ただ運転中ですと、ウランが核分裂してできた核分裂生成物というものが大量に原子炉の中にまだ残っている状態なのです。
その核分裂生成物自身が熱を出し続けるということになります。
私達それを「崩壊熱」と呼んでいますが、その崩壊熱が大変膨大な為に、
福島第一原子力発電所の1号機、2号機、3号機も溶け落ちてしまったわけです。

ただし、崩壊熱は核分裂生成物そのものが出している熱で、核分裂生成物の中には寿命の短いものもありますので、
運転を止めてしばらくすると、寿命の短い放射性物質からどんどん消えていってくれるのです。
その為、数時間、あるいは半日ぐらい経つと、当初の発熱から10分の1ぐらいまで落ちてくれますし、
それから数ヶ月経てば、またその10分の1ぐらいに落ちてくれるというものですから、
一刻も早く止めておけば、原子炉の炉心が溶け落ちるというようなことは避けることができるわけです。

ですから、今回のように地震の震源が揺れ動いていて、
場合によっては近くで大きな地震が起きるかもしれないというそういう可能性がある時には、
1日でもあるいは1時間でも早く原子炉の運転を止めておけば、大きな事故に至らずに済むということになるわけです。
福島第一原子力発電所の事故から原子力発電を勧めてきた人達が学んだ教訓というのがありまして、
それは、どんな巨大な事故を起こして、どんなに住民に悲惨な被害を与えようとも、
誰一人として責任をとらずに済むんだという教訓を彼らは得ているのです。
ですから、原子力規制委員会の田中さんにしても、もし仮に今回、巨大な地震が起きて川内原子力発電所が大きな事故になったとしても
責任を取らずに済むということを彼は知っているわけですし、
九州電力も大きな事故になったとしても倒産をしないで、ちゃんと黒字企業で残れるということを彼ら教訓で学んでいるわけですから、
もう彼らは何も怖くないということになってしまっています。

いまにし:
小出さんのお話というのは、本当に大切なことをされておられるなぁということで身にしみて感じました。
とにかく熊本、大分の被災地は1日も早く復興されることを願って止みません。