電話インタビュー:今中哲二さん
聴き手:矢野宏

矢野宏:
今日は今中哲二さんと電話が繋がっています。今中さん?

今中哲二:
はいはい。

矢野宏:
よろしくお願いいたします。

今中哲二:
こちらこそよろしく。

矢野宏:
今日のテーマは「伊方原発運転差し止め、広島高裁が初判断」です。東京電力伊方原発3号基を巡り広島市などの住民らが申し立てた仮処分の抗告審で広島高裁が12月13日に運転を差し止める決定をしました。来年の9月末までの期限がついた異例の決定とはいえ、高裁が再稼働をストップさせたのは初めてです。本日はこの伊方原発の差し止めについて今中さんにお話を伺います。今中さん、今回の広島高裁の判断なんですけれどもどう受け止めてらっしゃいますか。

今中哲二:
ちょっと予想していなかったので半分驚きですね。それとですね、私どもの仲間も含めて日本最初の原発裁判である伊方の差し止め訴訟、安全審査の取り消し訴訟をそれこそ40年くらい前にお手伝いしたもんですから、なんとなく隔世の感があるなという気もします。

矢野宏:
今中さんをはじめ、小出さんとか熊取6人組と言われた方々が。

今中哲二:
ええ、あと弁護士さんたちもがんばって。論争に勝っても裁判には負けるもんだと私はそれを眺めて思ってたんですけど、やっぱり時代の流れで裁判というのも時代の流れで変わってくるんだなあという考えを持っています。

矢野宏:
なるほど。今回伊方原発の3号基を止まるというきっかけになったものは何だったんですか?

今中哲二:
これはもちろん福島の原発事故ですけれども。

矢野宏:
今回この止める理由というのは?

今中哲二:
一応私は判決要旨というのは一応さーっと眺めてきました。そうするとやっぱり火山の問題を取り上げていますね。

矢野宏:
あー、やっぱり火山が。阿蘇山ですね?

今中哲二:
そうですね。私が読んだ印象では裁判官が地域性基準と照らして、四国電力がやったことを考えてどこを突っついて止めようかと、あぁやっぱり火山の問題でとりあえず止めとこうという判断をされたんだと思います。

矢野宏:
なるほど。しかし阿蘇山からこの伊方原発までは130キロですよね。で、9万年前に大噴火があって実は火砕流が160キロまで届いていたということを持ち出してのことだったんですよね、今回は?

今中哲二:
その辺の細かい話は承知していませんけれども、いつ噴火するかはっきりわからないものについてはやっぱり最大規模のことを想定して影響が大したことないよというのを言いなさいという風に新規制基準の中でなっているわけですけれども、四国電力がきちんとそういう最大規模の評価をしていなかったということですね。

矢野宏:
なるほど。この差し止めは来年の9月30日までの期限つきだということなんですが、これはどうしてなんですか?

今中哲二:
正直なところでいうとやっぱり裁判官は社会的影響をできるだけ小さくしたかったということなんでしょうけれども、判決のロジックでいきますと要するに四国電力の説明が不十分だと。ですから来年の9月までに本裁判もありますし、それでとにかくきちんとした説明が出るかもしれないから9月の末までにしましたという風に書いてありますね。

矢野宏:
なるほど。しかしこの仮処分というものは直ちに停止させる効力はあるんですよね。

今中哲二:
動いていれば止めなきゃいけないと。今は幸いなことに止まっていますから、定期検査で。

矢野宏:
検査でね、はい。来年の1月予定の再稼働ができない可能性が高まったということですね?

今中哲二:
その可能性もありますし、ちょっとその裁判手続きはよく分かりませんけれども、仮処分の執行停止みたいなものをすぐ四国電力も出してくるだろうし、その辺のゴチャゴチャっとした話にはなるんだろうなと思います。

矢野宏:
なるほど。高裁が初めて再稼働を止めたというこの判決の影響はどうでしょうか。

今中哲二:
やっぱり大きいと思いますよ。私は最初に申し上げたように、いわゆる裁判なり裁判所というものはお国の顔、政府の顔を見ながら判断するもんだと思っていたんですけれども、どんどんそれに反対する反骨精神を持った裁判官があっちこっちで出てきているんだなという印象があります。あともう一つ大きいのは。伊方原発ですけども判決を出したのは広島の高等裁判所なんですよね。

矢野宏:
そうですね、今回。

今中哲二:
ですから原告そのものも広島の人がほとんどなんですよね。ですから裁判所としても広島から伊方まで100キロありますから100キロ離れたところでも大変なことになる恐れがあるよということを明確に認めたと。結局事故を起こしたら100キロ200キロまで影響するようなものを使ってまで電気を作る必要があるのかと、私がいつも言っていることですけれども。やっぱりそれを改めて考えようということだと思います。

矢野宏:
なるほど。これまで原子力規制委員会はブレーキがなくってアクセルばっかりだったんですけれども、そんな規制委員会への警鐘ともなりました。

今中哲二:
規制委員会そのものは再稼働委員会のようなものですから。

矢野宏:
はい、分かりました。今中さん、どうもありがとうございました。

今中哲二:
はい、どうも。