西谷文和:
今中さん、今日は「原発は高くつく~東芝問題」と題して
ちょっとお話をお伺いしたいのですけれども。

今中哲二さん:
東芝は、10年ぐらい前にウェスティングハウスを買収したんですよね。

西谷:
そうですよ。2006年ですよ。はい。

今中さん:
あの時に、私ら長浜も含めて「いったい東芝何考えてんやろう?」と。

西谷:
もうその時点で「何考えるんや」と思ってはりました?

今中さん:
そうそう。あのね、東芝っていうのは日立と一緒に
日本のBWR(沸騰水型炉)を支えてきたメーカーですよね。 

西谷:
福島も沸騰水型でしたねえ。

今中さん:
そうです。それで、ウェスティングハウスっていうのはPWR(加圧水型炉)なんですよね。

西谷:
だから、福井県とかの方ですねえ。

今中さん:
ええ。日本で加圧水型炉って言ったら三菱のはずなんですよね。

西谷:
三菱のはずですよね。

今中さん:
それを私らからしたら、でしゃばってウェスティングハウスまで行って、
何を考えてるんやろうなあと。
それで、勘ぐればね、当時っていうのはアメリカがブッシュさんが大統領で、
いわゆる原子力を持ってやり直すというか、あれ原子力ルネッサンスっていう言葉があってね。
原子力をまたどんどんやるんだというようなアドバルーンはあったんですよ。

西谷:
当時、日本は小泉内閣で、当時、小泉さんも反省されてますが、
当時は原発勧めてはりましたからねえ。

今中さん:
そうですねえ。

西谷:
今は反対されてますけどねえ。小泉さんは。

今中さん:
世界規模でこれからどんどんやるぞというのを
私らは「本当かいな」と「そんな上手くいくかいな」という目で見てたわけですよね。

西谷:
今中さんね、東芝は騙されたんちゃうかという見方がありましてね。

今中さん:
いや、騙されたんじゃないと思いますよ。
むしろ打って出たわけですから。

西谷:
打って出たんか。

今中さん:
ええ。ですから、ウェスティングがもうよたってて売りに出たんですよね。
それで、多分あの時は東芝・三菱・日立も買いに行ったんだと思いますよ。

西谷:
他も買いに行って、東芝が買ったわけですか?

今中さん:
ええ、ええ。

西谷:
いや、僕は素人考えでね、アメリカが原発儲からへんから
ウェスティングハウスをていよく東芝に売りつけたんかなあと思ったんです。

今中さん:
ええ。勿論、だから東芝に限らず、売りに出して、その中で最高値だったという。
かなり高く買ったという評判でしたよね。当時から。

西谷:
結局、そしたら率先してババを引いてしもうたということですもんねえ。

今中さん:
そうです。ババを引きに行ったんです。

西谷:
ババを引きに行ったと。

今中さん:
ええ。今回の問題で、要するに7000億やらいくらになるのか知らないけども。

西谷:
どんどん膨れ上がってるんですもん。損失が。

今中さん:
赤字になって、そして債務超過になるって言うんですよね。
債務超過というのは、株式会社にとってはかなり致命的な話。
資産を全部売っても、借金が残ってしまうと。

西谷:
株主から訴えられる可能性もありますもんねえ。

今中さん:
という状態になって、それが続いて、もしも借金返せなくなって焦げつかせたら、
これ倒産ですよね。

西谷:
そうですねえ。

今中さん:
それでね、去年、その不正経理が出た段階で
東芝の稼ぎ頭だった医療関係売っちゃったんですよね。

西谷:
そうでしたね。医療関係売りましたもんねえ。

今中さん:
ええ。それで済ませられるかと思ったら済ませられなくて、
また出てきたと。

西谷:
ウェスティングハウスの損失がもっと大きかったわけですもんね。

今中さん:
ええ。そうすると、そんな状態ではもう誰も金貸してくれないんですよ。それで。

西谷:
売るしかないんだ。

今中さん:
ええ。最後に残った

西谷:
優良部門の半導体

今中さん:
ええ。半導体を一旦分けて別の会社にすると、そこに誰かが金を貸してくれると。
それで生き延びようという魂胆だなあという風に、私からしたら見えますねえ。

西谷:
なるほど。でもね、今中さんね、素人の私から見ると、こんなことしてたら倒産するちゃいます?
下手したら。

今中さん:
そうですね。
多分、はいはいって金貸してくれる人いないですし。
最近の例で言うと、シャープがありますよね。

西谷:
ありました。交配にね。

今中さん:
その人は結局赤字になってどうしようもなくなって、あれはまだ身売りしたんですよね。

西谷:
そうですよね。

今中さん:
身売りということは、まだ買ってくれる相手がいた。
多分ね、東芝は買ってくれる相手がたぶん私の感じからしたらいないんだと思います。

西谷:
だって、ウェスティングハウスという大規模な負債抱えてる所をねえ。誰が責任……、
ましてやこれね、原発事業でしょ?

今中さん:
そうですそうです。原発事業です。

西谷:
もう未来ないですよねえ。投資家は投資しませんよねえ。これに。

今中さん:
はいはい。

西谷:
あのね、福島の原発事故の時に、何で原発から手を引かなかったんでしょうねえ。

今中さん:
何ででしょうねえ。
それはね、私も今でも不思議で、そういう意味では原子力村も復活してますし、
一応、もんじゅを止めることになりますけども、でもやっぱり次の高速炉だとかいう話もどんどん出てきてますし。

西谷:
だって核燃料サイクルやるんでしょう?
ずっと。

今中さん:
ええ。なんか原子力村というのは、ほんとに不思議な世界で。

西谷:
これ、このまま続けて行けば赤字が膨らむだけやから早くねえ。

今中さん:
そこで西谷さん、バックに控えているのはやっぱり日本政府なんですよ。

西谷:
やっぱり国策ですか?

今中さん:
国策なんだと思います。
結局、東京電力が潰れなかったのもそうですし、まだ原子力といって出てくるのもそうですし。
そこで、やっぱり東芝の先行きというのは、私達きちっと見とかなきゃいけないと思いますよ。

西谷:
結局ですね、こういう考え方も成り立ちませんか。
最後は国が助けてくれるんやったら、取り敢えず、
云うたら親方日の丸みたいな感覚で商売してはったんかなあという気もするんですよ。

今中さん:
多分そうだと思いますよ。

西谷:
この状態でも安倍内閣は原発輸出するということですよねえ?

今中さん:
そうですね。

西谷:
これ、だから例えば東芝とかを先頭に立ててやって、
政府系の銀行が融資したら、焦げ付けは国民になりますねえ。

今中さん:
はいはい。

西谷:
これ、このまま行けば私達また高い税金を払って。

今中さん:
またそうですね。税金だけじゃなくって、
どっかで事故ったりすると、また大変ですしね。

西谷:
そうですね。
これ、やっぱりもう止めた方がいいでしょうねえ。
原発輸出するの。

今中さん:
それはもう最初から分かってる話で。

西谷:
分かりました。
今中さん、今日はどうもありがとうございました。

今中さん:
はいはい、どうも。