2017.4.11

054

広島・福島の思いを「言葉」に残す。
すぐには変わらない。
しかしきっと変わる世の中のために。

PERSONALITY

木内みどり

GUEST

永田浩三さん(社会学者・ジャーナリスト・元NHKプロデューサー)
四國光さん(反戦画家・四國五郎さんのご子息)
ウメトバエワ・カリマンさん(キルギス共和国・民族楽器演奏家)

政治圧力によって従軍慰安婦問題を取り扱ったNHKの番組が急遽放送前夜から当日にかけて凄まじく改変されたとされる「NHK番組改変問題」(2001年)をご記憶の方も多いことでしょう。その番組「ETV2001・戦争をどう裁くか」の統括プロデューサーだったのが、永田浩三さんです。迷彩服を着た右翼が渋谷のNHK局舎に乱入し、名指しで「殺す」と言われた永田さん。それでもメディアが国家に迎合しながら腐敗する様に、今でも警鐘を鳴らし続けておられます。それは、永田さんのお母様が広島原爆投下の爆心地から800メートルの場所で被爆したことから、戦争を憎み、争いのない平和な世の中を願う永田さんの心の底からの叫びでもあるようです。

今回この番組では、永田浩三さんのご著書「ベン・シャーンを追いかけて」と「広島を伝える詩画人・四國五郎と原爆の表現者たち」という2冊の著書をひもときながら、誰もが望む戦火のない世の中とは真逆を行くような危なげな今の日本を見つめていきます。日本でも著名なベン・シャーンは、「核は人類に幸せをもたらさない」とはっきりと主張し、身の危険を顧みず当時の米国家と対立してきた画家です。永田さんは、ベン・シャーンが残したものが現代にどのような影響を与えているのかを調べる旅に出掛け、それを「ベン・シャーンを追いかけて」にまとめられました。その中で、永田さんはご自身の生い立ちとベン・シャーンの奇妙なつながりを発見されます・・・・。

またこの番組の収録日にたまたま東京にいらっしゃった四国五郎さんのご子息、四國光さんが、スタジオに遊びに来てくださいました(自由なラジオ第28回にもゲスト出演されています。http://jiyunaradio.jp/personality/archive/028/)。永田浩三さんの本を読んだ四國光さんが永田さんに連絡をとり交流が始まったというお二人。それをきっかけに「広島を伝える詩画人・四國五郎と原爆の表現者たち」が生まれたといいます。今回の放送では改めて、平和のための静かな炎を絶やさなかった反戦画家・四國五郎さんの生涯を、四國光さんとともに辿りました。

語り継ぐことの大切さ、言葉で表現し言葉で残すことの大切さが、体温のような温かさで伝わる永田浩三さん、四國光さんのお話です。広島、福島の当事者たちが、苦しい現実の中で残した言葉を、私たちはどう残し、未来へ運んで行けるのか?ずっしりと重い宿題を背負ったように感じた今回の対談となりました。

著書紹介




また今回は音楽の時間にも、スタジオにお客様をお迎えしました。東京芸大で民族音楽を研究するキルギス共和国ご出身の演奏家、ウメトバエワ・カリマンさんに、コムズという珍しい楽器の生演奏をお聞かせいただきました。デジタルの音に耳が慣れてしまった方には、本当に癒される時間になっています。こちらのどうぞお楽しみに。

●今回と同じく四國 光さんをゲストにお迎えした第28回も是非合わせてご聴取ください。
第28回 シベリア、ヒロシマ、そしてこれから……。
戦争を静かに描き続けた父・四國五郎のぶれない思い(YouTube)