2016.9.27

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ベラルーシで甲状腺がんを治療しつづけた医師、
菅谷昭・現松本市長と小出裕章さんとの特別対談! in 松本

PERSONALITY

いまにしのりゆき(ジャーナリスト)

GUEST

菅谷 昭さん(長野県松本市長)
小出 裕章さん(元京都大学原子炉実験所)

今回は、普段のスタジオを飛び出しまして、長野県松本市からお送りします。
ゲストは、松本市長の菅谷昭さん、そして今は松本市の住民でもある元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さん。クラシカルな松本市役所の中の一室をお借りしての放送です。
菅谷昭さんは、もともとは甲状腺疾患を専門とされるお医者様でいらっしゃいます。チェルノブイリ原発事故後は、1991年からベラルーシに何度も足を運び、最長で5年半もの間滞在しながら、被ばくした子供たちの診療にあたってこられた方です。地位も私財を捨てて、なぜそこまでして現地の子供たちの甲状腺がん治療に奔走したのか?番組前半では、菅谷さんとチェルノブイリの関わりについて伺いました。
そのあと番組は、小出裕章さんとの対談へと続きます。小出さんが京都大学原子炉実験所退官後、松本市を住処に選んだのは、環境の良さはもちろん、菅谷昭さんが市長でいらっしゃること、そして何よりもその素晴らしい市長を選んだ市民がいる町に魅かれたからだ、とおっしゃいます。

そもそも二人の出会いは、菅谷さんがベラルーシ滞在中に、日本から調査に訪れた小出さんらを自宅に招き、そうめんでもてなしたことがはじまりだとか。そして二人はその後も、原子力発電所の事故から放出された放射能という、人類が決して制御しきれない危険物によって、罪もない人々が苦しんでいることに心を痛めている同志として、それぞれの立場で活動を続けて来られました。

菅谷市長は、この夏、再びベラルーシに飛びました。30年後のチェルノブイリは、どうなっているのか?その検証から、今、日本の福島に必要な判断とは何なのか?を小出さんとともに語り合いました。緊急事態を宣言しすべてが特例として高線量地域に帰れと言われる福島の人々。菅谷さんは、チェルノブイリの悲劇を知る専門医の立場からは、放射能がこの先人々に及ぼす健康被害を強く憂いでおられます。ベラルーシでは、30年経てば子供たちの甲状腺がんはさすがに見つからない。しかし確実に体調を崩している人々が増えているのは、放射能に所以する免疫不全ではないかと疑います。低線量被ばくの問題は、福島に通じます。因果関係を検証するには、長い時間がかかる。しかしそれが証明された頃には、確実に人々の体は蝕まれている。ならば今、日本という国が向かうべき方向は明確なはずです。
その中で、松本市では、放射能のモニタリングや学校給食への配慮、観光客の分も含んだヨウ素剤の備蓄、また近隣それぞれの原発事故を想定した避難マニュアルを完成させています。
そして菅谷市長は、この夏、松本市の平和式典で述べた内容に関連して、公人であるのでと言葉を選びながらも、原爆も原発も、同じ「核」なのだと言及されました。原発と戦争がつながっていて、原爆の凄惨さを語るのと同じく、原子力発電所の抱える問題と大きな危険をもっと考えるべきだという主張は、小出裕章さんがいつもこの番組でおっしゃってくれていることと等しく、大切なメッセージとなりました。

もう二度と、チェルノブイリ、福島を繰り返さないために、「原発事故の真実」を知る二人の証言は、とても貴重なものなのではないでしょうか?「市民のための自由なラジオ“Light Up!”in 松本」、聴き応えたっぷりの1時間、どうぞじっくりとお聴きください。