2016.4.19

003

戦争法が施行!
日本は本当に戦争ができる国に
なってしまうのか?

PERSONALITY

西谷文和

GUEST

前田哲男さん(軍事評論家)

今回は、軍事評論家の前田哲男氏を迎え、戦争法(安全保障関連法)が施行された日本は、どんな道を進むべきなのかについて考えます。まず前半では、安倍政権の下で自衛隊はどう変化していくのかを検証します。


この戦争法、実はその成立には、新ガイドライン=WARマニュアル(日米防衛協力のための指針)の改訂が大きく関与しています。日米安全保障条約の手順書と言われるそれは、条約成立から1978年までは存在しませんでした。日米関係の変化により、1978年にできたこのガイドラインは、その時点では、自衛隊は海外に出ることもなかったし、アメリカを守る根拠もありませんでした。あくまでも個別的自衛権の範囲内でした。そして1997年の改訂では、当時の北朝鮮の核や不審船問題を背景に見直され、その後それに対応するため国内法ができます。周辺事態法・船舶検査法などがそれで、じわじわと自衛隊の行動マニュアルは変容していきます。それでもこの時点では、個別的自衛権の範囲内のこと。


そして、2015428日に日米が合意した新ガイドラインでは、自衛隊はとうとう全地球型になり、集団的自衛権の行使をせざるを得ない内容となってしまいました。安倍首相がアメリカ議会で安全保障関連法の成立を勝手に公約してきたのは、実はその合意直後のことでした。つまり戦争法は、新ガイドライン=WARマニュアル(日米防衛協力のための指針)のアメリカとの合意により、先に決まっていたのだと前田氏はおっしゃいます。


番組後半では、「外征軍」化する自衛隊について検証します。組織が再編され、設備も強化されていく。離島、島しょの基地負担など新たな軍拡の動きを憂います。では、戦争法廃止への天望はあるのかということですが、世論を見ると、内閣府の調査では、災害支援 PKOに代表される平和のために働く自衛隊を求める意見がほとんどを占めています。EU27カ国が共通の枠組みの中でWINWINの安全保障を実現し、しかも段階的に軍縮に取り組んでいる大きな成功例のもと、日本はどの道を進めばよいのかは、明確であるはずです。それは世界平和への近道でもあるはず。リスナーの皆さんといっしょに、これらのことをじっくりと考えてみたいと思います。


■Light Up!ジャーナルは、元京都大学原子炉実験所の今中哲二さんに「チェルノブイリ原発事故から30年」をテーマに、チェルノブイリと福島を比較しながら、原発事故の収束とは一体何かについて考えます。